2018.2.1 「注文住宅」を知る

注文住宅でサンルームを作るメリットとデメリット|設計時の注意点も解説

企画開発部 植木 宇幸

注文住宅を建てるときに気になるのがお部屋の日当たりです。日当たりの良い部屋を実現したい方は、サンルームに注目するとよいかもしれません。サンルームとはどのようなお部屋なのでしょうか。概要と設置するメリット・デメリット、設置時の注意点などを解説します。

サンルームとは

サンルームは、自然光をふんだんに取り入れるため壁や天井をガラス張りにした部屋のことです。特徴は、居室のように過ごせること。一般的には、庭にせり出すような形で設置されています。

テラス囲いとの違い

サンルームとよく似ているのがテラス囲いです。テラス囲いとは、テラスの周囲をガラスで囲んだもの。サンルームに比べると気密性が低いので、外気の影響を受けやすいとされています。よって、居室のように過ごすことはできません。

ベランダとの違い

ベランダは、建物の2階以上にある屋根付きの外に張り出したスペースです。ガラスで周囲を覆われていない点、2階以上に限定される点などがサンルームと異なります。

サンルームのメリット

サンルームのメリットとして次の点などが挙げられます。

自然光を取り入れられる

サンルームを設置する最大のメリットは、自然光をたっぷり取り入れられる部屋を確保できることです。自然の光を浴びながら気持ちよく過ごすことができます。

物干しスペースとしても利用できる

屋根と壁があるので、物干しスペースとしても利用できます。雨や花粉を防げる点は大きな魅力といえるでしょう。室内の湿気は、室内換気扇で排出します。

住宅の断熱性能が高まる

建物の外側にサンルームを設けることで、注文住宅の断熱性能はアップする可能性があります。サンルームが、外気を遮るクッション役を果たしてくれるからです。

サンルームのデメリット

サンルームにはデメリットもあります。代表的なデメリットは次の通りです。

夏は暑い

自然光をふんだんに取り入れるためのお部屋なので、夏はサンルーム内が暑くなります。季節を問わず快適に過ごすことは難しいかもしれません。ただし、室温の上昇は、屋根の素材や室内換気などにこだわることで、ある程度は抑えられます。

掃除が大変

壁や天井をガラス張りにした部屋なので汚れは目立ちます。注文住宅に設置した場合、定期的な掃除が必要です。掃除が苦手な方は、汚れにくい素材を使ったサンルームを選ぶと良いでしょう。

設置にお金がかかる

サンルームの設置には、60万円~150万円程度の費用がかかります。(商品・機能・サイズで変わります)。注文住宅の建築費がアップする点もデメリットといえるでしょう。

サンルームを設置するときの注意点

サンルームを設置するときは次の点に注意が必要です。

保証を受けられなくなる可能性がある

注文住宅を建築してからサンルームを増設すると、家の保証を受けられなくなる可能性があります。外壁に穴をあけることなどで、家の性能を保証できなくなるからです。サンルームは、注文住宅とセットで検討しましょう。増設する場合は、注文住宅を建てた住宅メーカーに依頼すると保証を継続できることが多いようです。

設置する目的を明確にする

サンルームを設けたものの結局は使わず物置になっているケースは少なくありません。予算を無駄にするばかりか、敷地の貴重なスペースも無駄にしてしまいます。サンルームは、目的を明確にしてから設置することが重要です。

まとめ

自然光をふんだんに取り入れるため、壁や天井をガラス張りにした部屋をサンルームといいます。サンルームには、明るい部屋を確保できる、物干しスペースとして活用できる、住宅の断熱性能を高めるなどのメリットがあります。魅力的な部屋ですが、無計画に設けることはおすすめできません。工事をすることで注文住宅の保証を受けられなくなる恐れがあるからです。サンルームに興味をお持ちの方は、設置する目的やデメリットを理解したうえで検討を進めましょう。