2019.06.13

カジャデザインが厳選した3つのリゾートホテル、
プロデューサーと建築家の目線で見たプーケットリゾートとは。

田中 嘉人

ライター

世界を旅する建築会社、カジャデザイン。

前回のタイブログでは、バンコクで体験したルーフトップバーや、市場での買い付けの様子をお届けしました。

いよいよ、海外研修の大きな目的であるプーケットのリゾートホテルの視察が始まります。今回は、カジャデザインのプロデューサーである私市と小牧、そして旅に同行した建築家の七島先生に、ホテルでの体験とポイントについて詳しく話を聞いてみました。

日頃から、カジャデザインでお客様にリゾート住宅を提案しているこの3名が見た、プーケットリゾートとは、どのようなものだったのでしょうか。

リゾートには「ゆとり」を

ーまずはじめに、なぜ今回は七島先生に声をかけたんですか?

私市:
まずは社外パートナーの方に来てほしかったからです。社員だけではなく、外部の建築家の先生や職人さんにも来ていただくことで、同じ体験を共有したいと考えていました。
なかでも今回七島先生に声をかけたのは、リゾート建築に興味があると聞いたからです。数年前にはスリランカのリゾート建築を見に行ったという話を聞いたので……今回アマンプリを一緒に見に行くことで、リゾート建築に関する理解がより深まるのではないかと考え、お誘いしました。

七島:
正直、僕はアマンプリについては知らなかったんです。スリランカへ行ったのもジェフリー・バワという建築家に興味があったんですが、そのホテルがアマンリゾートの創始者にも支持されていると知りまして。自分が見たことのあるリゾート建築との接点をタイのリゾートでも見出せるのではないかと思い、旅の参加を決めました。

ーありがとうございます。それでは、早速プーケットで視察したそれぞれのホテルについて伺いたいと思います。プーケット1日目のホテルについて教えてください。

小牧:
プーケットで初日に泊まったホテルは、The NAKA-ザ・ナカというホテルです。このホテルは、有名な建築家が設計したホテルで築4〜5年で新しく、コンセプトやデザインはすごくおもしろかったです。そのデザインはというと、コンクリート打ちっ放しやガラスなど、リゾートであまり使われない無機質な素材で構成されていました。構造も、RCと鉄骨の組み合わせでヴィラのメインベッドルームは壁3面がガラスという開放感を実現。普段木材や石材など自然素材を多く扱う私たちにとって新鮮に映りました。
一つ気になったのは、海の目の前にあるホテルなので、潮風の影響を直に受けているんですね。その影響で、建物の汚れや劣化に目がいってしまいました。比較的、海外の方はそうした経年変化や環境による変化は気にしないことが多いのかもしれませんが、やはり日本で住宅をつくるときは、周りの環境によっての変化や劣化、お手入れのしやすさなどは気をつけて提案をすべきだ、と改めて感じました。

TheNAKAのスカイラウンジとスパエリアへのアプローチ
高くそびえるブラックの壁が印象的
眺望を邪魔しないように手すりもガラス

私市:
このホテルはレセプションがカッコよく、何と言っても眺めが最高でした。ホテルに到着して車を降りると、すぐにレセプションが見えます。なんとそこは、断崖絶壁のロケーション!圧倒的な景色に感動したのを覚えています。レセプションの棟には重厚な木材が使用され、カウンターの天板には、磨き上げの大きな天然石が使用されていました。大胆で迫力のあるデザインと目の前に広がる絶景にこれからの滞在に期待が膨らみました。
これも特徴の一つと言えると思いますが、このホテルは全室プール付きヴィラで94室もの客室がありました。部屋数が多いので部屋と部屋との間隔が狭く、ちょっと詰め込みすぎな印象がありましたね。リゾートの空間で心地よく過ごすには、空間的な「ゆとり」はやはり重要な要素の一つだと思います。それは日本の住空間にも同じことが言えますね。

レセプションエリアは遠くから見てもこの迫力
上から見るとそのヴィラの多さに驚く

七島:
デザイン的にはすごく意欲的でチャレンジしているし、おもしろいと思うんですよ。山の上にラウンジがあったり、海とつながっているようなデザインだったりして。ただ、まぁなんというかレストランと部屋との移動がバギーなんですよね。せっかく環境のいいところへ来たのに、バギーに乗って帰る……みたいな。だから経験が単調になった印象がありました。

山肌からせり出すようなボックス状のヴィラ

徹底した世界観の創り込み、非日常を体験できるワンダーランド

ー続いて2日目のホテルについても教えてください。

私市:
今回カジャデザインでは初のタイ出張。限られた宿泊日数の中で、タイのリゾートをより深く理解するためにホテル選びにもこだわりました。1日目の宿泊先であるThe NAKA-ザ・ナカは「モダン」、3日目のAMANPURI-アマンプリを「トラディショナル」とすると、2日目に宿泊するホテルは「変わり種」です。
私たちが「変わり種」に選んだのはKEEMALA-キーマラというホテル。
ここ数年で多くのメディアでも取り上げられている、注目のリゾートホテルです。このホテル、何が変わり種なのかというと、その創り込まれた世界観です。緑溢れる森の中の丘陵に位置するそのホテルは、キーマラが独自に創作した4つの部族によってカテゴリー分けされています。4つのカテゴリーの思想に合わせた建築、デザインでその違いを表現しています。「日常から離れ静養のための、常緑のワンダーランド」というコンセプトを肌で感じることができました。

七島:
自然発生的なカテゴリというよりも、人為的なアミューズメント的な要素が強い印象を受けましたね。コンセプトを商売のためにつくっているというか。でも、デザイン性は非常に高くて、細部までこだわり抜かれている印象を受けました。手抜きをしていないというか。

ユニークな形の建物
Pa-Ta-Pea(大地)族のエリア、Pa-Ta-Pea(大地)族は働き者の農民や漁民、大工や鍛冶屋が集まる民族

小牧:
初日のホテルと違って遠望が期待できない分、それぞれの見え方に工夫されていたと思います。什器もひとつひとつ密度が高く、小道を歩いて行くと突然どーんとレストランに辿り着いたりして……森のなかのパーティールームみたいな。インスタ映えする空間だったと思います。

360°のパノラマを楽しめる展望デッキ
カラフルなモザイクで描かれた自然の姿

七島:
「アリの視点」って言うんですかね。歩いて進んでいく度に目が入ってくるものを楽しんでくれ、大事にしてくれってメッセージが伝わってきましたね。遠くの景色は見えなくてもとても楽しかったです。初日に泊まったホテルとは真逆というか。什器の肌触りや手触りも楽しめるようになっていて。

私市:
ちなみにこういう変わり種ホテルのレストランって当たり外れがあるんですけど、レベルは高かったですね。朝もビュッフェじゃなくて、自分でチョイスできたし。社長は朝からシャンパンでした(笑)。
今回訪れたキーマラは、コンセプトやこだわりを細部まで徹底的に貫いていました。やり過ぎ感のある素材合わせも場合によっては個性となること、空間の可能性の大きさを改めて実感しましたね。

アマンプリで触れた、リゾート空間づくりの本質

ーでは、3日目。いよいよAMANPURI-アマンプリに泊まったわけですが……?

私市:
そうですね……アマンプリはレセプションに入って中心に大きなプールがあるんです。リゾートホテルのプールって海や空をイメージしているところが多いので、ブルーの場合が多いんですけど、アマンプリは黒なんですよ。ブラックプールが有名で、ミラー効果を狙っているんですね。風が止んだときに、黒の方が景色の写り込みが綺麗に映る。そういう瞬間を何度も見て、黒もいいなって思いましたね。

美しい景色が映り込むAMANPURIのブラックプール

小牧:
あとはとにかく海が綺麗でしたね。ワイキキとかも綺麗だけど、ここは桁違い。プールの先に階段があって、降りたらすぐにアマンプリのプライベートビーチがあるんです。プーケットで有名なパトンビーチとはまた全く違う雰囲気です。プライベートビーチにはバーやレストランもあるし、アクティビティーも充実しているんですが、どこか落ち着いているというか、安心感があるというか……和食レストランや日本人スタッフがいたことにも安心感を覚えたのかもしれません(笑)。

上からでも魚が見えるくらい透明な海!

七島:
個人的にはプールを囲む中庭あたりの広場がものすごく建築的にドライだったことが印象の残っています。一般的にプールがあると、周りの庭には緑を植えるなどしてやわらかさを演出するんですが、アマンプリは石畳なんですね。中庭にはアマンプリのすべての施設が面していて、ビーチへ行くにもココを通って階段を降りるんですが、高さが10m近くあるので、嵐の日でも安心なんですよね。環境を整えるってこういうことかと思わず納得しました。

私市:
他のリゾートと決定的に違うのは、土地の形状やヤシの木なんかも、もともとそこに生えているものを活かしているんですよ。普通、ホテル開発をするとなると全部伐採して、新たに植えていくんですが、もともとあったものを残しながらつくっていく。そして食材も地元産にこだわり、スタッフも地元の人を採用しているんです。30年も前から地産地消を続けているリゾートホテルなので、すごく意識が高いですよね。ちゃんとこの土地に建てる意味を考えている。
そして、アマンリゾートの第一号ホテルがこのアマンプリで、築31年も経過しているのに、全く古さ、劣化を感じませんでした。経年変化も含めて、趣のある自然な佇まいなんですよね。

小牧:
アマンプリはその空間の豊かさやホスピタリティの質を保つために、年に2ヶ月間はホテル営業を休止し、メンテナンスだけをしていると聞きました。稼働率で数字を測る、ホテル業界のビジネスモデルからは大きく外れています。インドネシアにあるアマンジウォも、あえてフルブッキングを避け、稼働率をコントールすることで質の高い空間を提供するというのも同じ発想からきていると思います。なので、当然宿泊料は高くはなってしまいますが、その分満足度の高い滞在ができることで絶えず需要が生まれるのだと感じました。

ー改めてアマンリゾートの魅力を感じる旅だったことがよくわかりました。では、最後にこの旅を通じて学んだことがあったら教えてください。

小牧:
アマンプリに泊まっているときの社長の言葉がすごく心に残っています。「要は自分が住みたいかどうかだ」という話だったんですが、ホテルだからとか関係ないんですよね。それを住宅に落とし込もうとしているのがカジャデザインなわけですから。改めて身の引き締まる想いをしましたね。

私市:
もちろん宿泊施設なので全てが当てはまるわけではないですが、住宅にも置き換えられることはたくさんあったと思います。今回の旅でいうと、そこにあるロケーションを最大限に活かしてデザインするとか。ある意味反面教師的な部分もありつつ、リゾート住宅をつくることの初心に帰れたような気がします。
家づくりって、コンセプトというか、絶対にブレない芯というか、そういった拠り所をつくることがいいものをつくることに繋がるんじゃないかと思っています。それってすごく難しいんですよ。ですがカジャデザインとしては、ちゃんとコミュニケーションを重ね、お客様それぞれにあったコンセプトとか、ストーリーのある家づくりをし続けていきたいと考えています。

七島:
僕はリゾート建築を追求したいと思っていますが、どこかで限界を感じていた部分があったのも事実です。でも、今回足を運んで、空間体験が豊かなところはみなさんに支持されていることがよくわかりました。奇をてらったものではないんだけど、つくり方とかプロポーションとかで演出できる。空間づくりの本質を垣間見たような……そんな旅でした。

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