2018.7.27 世界を旅する建築会社
アメリカ合衆国

自然のエレメントにインスパイアされた、ユタ州の大自然に位置するアマンギリへの旅

カジャデザイン代表 大熊 英樹

ロングドライブの先にたどり着いた異観の地

世界を旅する建築会社カジャデザイン。
今回、訪れたのはアメリカ南西部の光溢れる渓谷に佇む、隠れ家リゾート「アマンギリ」。
アジア、ヨーロッパのアマンリゾートに続き、初のアメリカのアマンに行ってきました。

地球規模の広大な自然と、その地形を最大限に生かした建造物が、非日常の極上の空間、時間を創り出します。その時の「粋」な空気感と、そこで得た気づきを皆様にお伝えしたいと思います。

アマンギリへのアクセスは、ラスベガス空港から4~5時間の車の旅か、
ページ空港というローカル空港から車で30分の旅?の二択しかありません。

ページ空港へはフェニックスから小型機のエアラインしかなく、強風で欠航になることも少なくないとのことだったのでラスベガスからの陸路ををチョイスしました。

ラスベガスの空港ゲートを出ると空港内だというのにスロット!!!
テンションが上がります(笑)

トランクを受け取りとアマンのスタッフがさりげなくお出迎えしてくれました。
BMWでロングドライブのスタートです!

ラスベガスからユタ州のコロラド高原の砂岩地帯を、5時間弱の旅です。

ビートルズをBGMに、景色だけを見ながらのドライブなんて何年ぶりだったか?
日本で時間に追われる毎日とのギャップ??幸せなひと時でした。

こんな気持ちにしてくれるのも「アマン」が僻地にリゾートホテルを続けているからこその「心の余裕」みたいなものなのかもしれません。

途中、1時間の時差が生じ携帯の電波もほぼ通じないそんな空間を直走ります。

ウトウトしていると「アマンギリ」の入り口につきました。

セキュリティーは万全!!!関係者しか立ち入れません。

入口に入ったとはいえ243ヘクタール、東京ドーム500個分の広大な敷地を有するこのホテルのフロントにはなかなか辿り着きません。

車で走る事5~10分ぐらい・・・やっとホテルに到着です。
荒々しい岩山と涼しげなグリーンのバランスが絶妙です!!!

スタッフが分かり易くホテルの説明をしてくれました。
が?しかし、ほとんど英語が聞き取れず不安だらけのチェックインとなりました。
広々したRCの階段を上がると右手がレセプションです。

岩で覆われた渓谷に佇むこのホテルは、大自然を眺めながら静かな時間を過ごせます。カジャデザインの理想とする「住宅=空気」に近い空気感を具現化しているホテル。このホテルから望む景色はすべてこのホテルが所有しています。

何故なら、何年たってもここからの景色を変わることなくゲストに楽しんでもらいたい。その為には全部所有するしかない!!!とても分かり易くシンプルな考え方ですが、それを実現させてしまう事がアマンスピリッツなのかもしれませんね???見習いたいです(涙)

絶景です。

ホテルはすべてRC造で、砂漠側のデザートウイングと岩山側のキャニオンメサウイングに別れ、全40のゲストルームが点在しています。

通路やゲストルームの間が所々抜けていてその先に綺麗な景色を望みます。またその配置や抜け感も様々でいろいろなシーンを絶妙に切り取る様に配置されています。今でいうとインスタ映えポイントなのかもしれません?

宿泊したゲストルーム「No7」のデザートスイートです。
広さは150㎡とアマンにしては一般的な広さでした。

入り口から入る厳しい日差しを避け、ゆったりできるシートがあります。
後に日々このシートの有難さを感じるようになりました。

中庭も兼ねたプールとカフェスペース!広々という訳ではありませんが丁度いい空間で住宅にも置き換えて想像できるようなスペースでした。都市型のちょっと贅沢な中庭!!!日常生活の心の癒しのスペースにご参考になればと思います。

高さ3m強の木枠のガラス扉を開けるとベッドルームです。手前がベッドでその先にソファーが。全て石造りでシンプルに形成されています。

そしてその先の扉を全開放するとこの景色(涙)。最高のロケーションです。この景色全てがこのホテルの敷地である意味を心の真ん中に感じた瞬間でした。

その先が、小さなテラスと言ったところでしょうか?

日が暮れてくると日中の30℃近い気温とは全く違う空気になります。。
日によっては10℃以下になり、暖をとれるようにガスコンロが仕込んであります。
お洒落ですよね・・・こんな家に住みたい!都心部でも叶いそう!
暮らし方って、少しチャンネルを変えるだけでこれほど変わるのか?そう感じさせられた夕方のアマンギリ!シンプルにオシャレでした。

向かって右側が水回りです。
手前から、トイレ~洗面~バスルームの配置です。
バスルームからも「掛け軸」の様に切り取られた景色が望めるような窓配置になっています。

屋上テラスはデイベッドが設けられていて、昼はここでランチをしたり冷たい飲み物をいただいたり、夜はここに寝転んで満天の星空を眺めたりと決して広いスペースではありませんが最高のプライベートスペースです。

この場にお客様がいらしたら、こんなスペースいかがですか?と必ずおすすめしたと思います。
現実的に都市部で叶えられる空間感に加え暮らし方の「粋」な領域が広がるそんな印象を感じられたリゾート空間でした。

夜はこんな感じです。
間接照明で落ち着いた空間は最高の癒しを心身ともにいただけます。
毎日ぐっすりです・・・

様々な暮らし方があると思います。ベストは様々あって良いのだと思います。
そんな様々な暮らし方の「良い事」・「悪い事」のバランスを理解し丁寧にご説明ができるそんな「人」が育ちそんな「チーム」を時間をかけ育てていく事の大切さをこの空間に身を置き感じました。

建築事業部「KAJADESIGN」もまだまだです(涙)。

シンプルに、丁寧に、さりげないセンスの光るインテリア

一部マテリアルとインテリアの紹介です。

室内外共にソファーやベッドの仕上げ、マテリアルは生成り色の石材で構成されています。
ホテルスタッフはホワイトストーンと言っていました。敷地付近で採掘された石材だそうです。当社が家づくりに良く使用しているライムストーンとクインをミックスしたような石材でした。RCの空間にとても相性が良く、主張もそれほど強くなく外の景色とバランスが取れていて、心地の良いマテリアルでした。

照明はコッパーを使用しお洒落に、でも存在感は消してひっそりと(笑)。明かりを灯していました。

続いて、ヴィラ室内のインテリア感です。
オリジナルのフックにホテルで暮らすためのグッズがされげなく掛けられていました。
ナチュラルな色感のバランスも流石だな!!!と感じましたね。

洗面のミラーです。ミラーをレザーの枠で壁にかけていました。
水回りの空間アクセントとしての存在感、自由な発想にうまれたオリジナリティ見習う事ばかりでした。

角材を壁に固定し絵をディスプレイしただけのシーンですが何故か?
存在感がありました。ちょっとしたこと?ちょっとした発想?
コスパも考えてのこんなディスプレイポイントも都市部の住空間には相性が良いのだと思います。

1stはここまでです。

この「アマンギリ」はアマンリゾートの中でもなかなか予約の取りにくい人気のリゾートホテルです。アクセスは正直良いとは言えません。不便です!しかし、このホテルに宿泊することの価値は日を追うごとに膨らんでいきます。じぶんが宿泊していたのは数日間でしたが、一ヶ月以上宿泊しているゲストも数人いらっしゃいました。ホテルスタッフからの又聞きですが・・・

何故なのか?

日常との乖離も壮大な景色以外にはさほどありません。
言葉では表現しにくいのですが「背伸びしていない感じが心地がいい」!!!

伝わりませんね???
でも、いいんです(笑笑)

2ndでその良さがよりより多くお伝えしたいと思います。