Interview
#01
Interview #01
心躍る、心安らぐ。両者を実現した設計。
「“クライアントをおもてなしするためのリゾートハウス”というプロジェクトそのものに、まずこだわりを感じました」。そう語るのは、今回外部建築家としてチームに携わってくださった八巻さん。弊社設計・小林と連携し、空間をどのように練り上げたのか、伺いました。
チェントペルチェント一級建築士事務所
八巻
有里様/YURI YAMAKI
KAJA DESIGN
小林 あさみ/ASAMI
KOBAYASHI
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- 八巻さん
- 那須の敷地は、都内のように限られた土地ではなく、広く自由度が高い分、逆に“建物をどう配置するか”という難しさがありました。敷地全体の緩やかな高低差や森の中という環境の活かし方に特に気を配りましたね。建物へのアプローチの仕方や、窓・開口部から周りの緑をどう取り込むかにポイントに置いて、プロジェクトミーティングの中で計画を詰めていきました。特にエントランスを入って正面の窓にグリーンが広がる景色は見所のひとつだと感じています。そのまま中に入っていくと広がる伸びやかな大空間は、構造的に成立させるのが大変だったと思いますが…小林さんにご尽力いただきました。
- 小林
- そうですね(笑)思い描く大空間に対し、構造的に不安がある箇所をいかにいじめずに実現させるか苦心しました。最終的にはプロジェクトメンバーのアイデアで屋外に庇を出して構造の強度を確保し、室内はすっきりと、ダイナミックな空間を実現できました
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- 小林
- リゾート=アジアンというイメージが強いですが、本来カジャデザインが目指すリゾートとはお客様が心地よいと感じる空間をいかにカッコ良く作るかということ。その一例として、ベッドルームはアジアンテイストではなくイタリアンテイストを採り入れた空間にしました。家具との調和も楽しんいただきたいポイントです。今回はダイニングテーブルが決まっていたため、キッチンの素材や色はそれに合わせて作りました。ダイニングテーブルのために設計空間を大きくしたり、小さくしたりと試行錯誤した経緯もあります。
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リゾートハウスの魅力のひとつに、訪れた人が自分で居心地の良い場所を探せるという点があります。その居心地のよさを作るためには、空間のダイナミックさやインテリアの力の他に、照明も大きく関係しているのだとか。
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- 八巻さん
- 気持ちよく過ごせる照度というのがあるんですよね。暗さはくつろぎにもつながりますし、海外のホテルがリラックスできるのも、照度がちょうど良いという側面があります。照明をシーンでコントロールできる、必要なところに必要な明かりがある、そんな空間が居心地の良さを生み出します。
- 小林
- 那須リゾートハウスは天井が6mと高いため、通常の設計よりもどれくらい照度が取れるかが心配ではありました。高いところからも明かりが届くように配慮し、間接照明の力も借りて必要な照度を確保しつつ、くつろげる明るさを目指しました。
「ダイニングキッチンの階段に腰掛けて何かする時間を作りたい(八巻さん)」「リビングソファに座って大きい空間と緑を眺めたい(小林)」と、それぞれ理想とする過ごし方も語ってくれた二人。那須リゾートハウスが、訪れる皆さまにとっても心躍る、心安らぐ空間となり、ご自身の住まいづくりに活かされる場所となれば、これ以上の喜びはありません。