Interview
#02
Interview #02
空間の心地良さを高めるインテリアの力。
建物の魅力を最大限に引き出すもの、それがインテリアではないでしょうか。今回のプロジェクトにおいても、至る所にこだわりの家具が配されています。どのような視点で選定が進んでいったのか、ジェルバゾーニ小田島さん、姉妹事業部・カジャリゾートファニチャーの岡田に話を聞きました。
南陽オモビト株式会社 GERVASONI
小田島 雅人様/MASATO
ODAJIMA
KAJA RESORT FURNITURE
岡田 一希/KAZUKI OKADA
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- 小田島さん
- 今回当社ではソファ、オットマン、コーヒーテーブル、ラグ、そしてダイニングチェアを担当しました。特にポイントとなったのは、ソファの選定です。図面を拝見した際に空間との一体感が重要なのではと考え、あえて背の部分が低く両側から使えるものを選びました。どの位置に座っても内装が美しく見え、居心地の良い場所をご自身で探してもらうこともできる。そんな魅力のあるソファです。夏仕様・冬仕様とカバーリングを着せ替えできるのもポイントです。ソファに合わせたオットマンもアイキャッチになるように3Dのファブリックで抜け感を出し、アルミニウム製で主張は少ないながらも印象に残るコーヒーテーブル、一点もののイタリア製ラグとともに、居心地の良さを醸し出しています。
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- 岡田
- (後述する)ダイニングテーブルが最も思い入れが深いですが、今回石壁のニッチに置く大型オブジェの製作も印象に残っています。ニッチは空間のアクセントになり、ライティングによる陰影も魅力的な場所です。これまで経験したことのない大きなサイズのアイテムだったため、現地での素材調達にも苦心しました。今回はインドネシア・トラジャ地方に伝わる縁起物“水”をモチーフにした伝統的な柱を使って、ニッチの大きさに合わせたオブジェを完成させました。カジャデザインは建物だけでなく、インテリアやファブリック、オブジェなど細部にまでリゾートを感じさせるコーディネートを施し、ホスピタリティを行き届かせているのだなと、改めて並々ならぬこだわりを実感しました。
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実はまだ本プロジェクトが始まる前、2019年の夏に岡田は弊社代表・大熊とインドネシアに出張。その際、代表は既にダイニングテーブルに使用した古材に目をつけていた、と岡田は話します。2019年秋に設計が進む頃には、ダイニングテーブルがリビング空間において重要なポジションに。ここから、ダイニングテーブルを担当する岡田とダイニングチェアを選定する小田島さんの水面下での連携が始まります。
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- 岡田
- ダイニングテーブルに使われているのは約100年前の古木で、もともとはインドネシアでスパイスを潰して保管する臼として使われている道具なんです。とても状態が良かったのできれいに磨き、アイアンの脚・ガラスの天板をつけてリ・デザインすることになりました。これをダイニングに置くことを前提に設計が進んでいたように記憶しています。
- 小田島さん
- 当時、ダイニングテーブルの実物を見ることが叶わなかったので、パースを見て徐々に雰囲気を感じ取りながらダイニングチェアのセレクトに取り掛かりました。150種類のファブリック・6種のフレームから選ぶのが至難の技で…最終的にはブラックのオーク材に決めました。
- 岡田
- チェアが決まった後、再度古木を磨き、色味や風合いを丁寧に調整しました。スペースの主役になるもの、というこだわりがあったので、照明や他の家具との調和、質感をどう出すか。サイズも大きかったので引き算の考え方でバランスを取りました。
空間を最高に心地良いものとするために。領域を超えて連携を取った結果、那須リゾートハウスはカジャデザインの理想とするリゾート空間へと昇華しました。お越しの際にはぜひ細部までご覧いただき、プロジェクトを担う人々の情熱も感じていただければ幸いです。