KAJA DESIGNの過去、イマ、そして未来KAJA DESIGNのあゆみ
心が落ち着く空間を追求したら、
リゾートにたどり着いた
『KAJA DESIGN』はなぜ「リゾート」にこだわっているんですか?
大きく2つの理由があります。
1つ目は、私たちにとってリゾートは心の拠り所だったからです。 会社を始めてから、休息の時間ってお盆と年末年始、ゴールデンウイークぐらい。 他には休みらしい休みはほとんどなかったので、長期連休は海外のハワイやサイパン、フィジーなどへ行ってゆっくり英気を養っていたんです。私たちにとってリゾートという空間は、生活していくうえでの一番の楽しみだった。 リゾート地に住みたいけど、住むことは難しい、だったら、いっそのこと日本にリゾート空間をつくってしまおうと考えました。
もう1つは、私自身の原体験です。先ほどもお伝えしましたが、家づくりで大きな後悔をしていました。 でも、結婚して、子どもも生まれていたので、満足度の低い空間で育児はしなければならなかった。 子どもが育つまでは家族揃っておしゃれなレストランへも海外旅行へも行けない……そうなるとストレスも溜まってきますよね。 そんなとき、ふと「家がリゾートホテルのようなつくりだったらいいんじゃないか」と考えまして。
確かに、リゾートが嫌いな人ってそんなにいないと思います。
ですよね。「子どもを育てる」ってとても尊いことだと思うからこそ、親にも子どもにもストレスの少ない環境をつくってあげたい。 そのひとつの答えが、リゾートであり、『KAJA DESIGN』だったというわけです。
とはいえ、建築に関してのノウハウは社内にはなかったわけですよね?
建築に関しては素人ですから、かなり苦労しましたね。当然社外のプロたちを採用したんですが、なかなかカタチにならなかった。
たとえば営業。年間何万戸も建てているようなスーパー営業マンでも、『KAJA DESIGN』になると途端に契約が取れなくなってしまう。 私たちが理想とする住まいづくりには、相当の力量が求められることを良くも悪くも思い知りまして。
だから最初の3〜5年間は、家のレベルを調整して、設計・提案しやすいカタチにしていました。自分が理想とする住まいではないということへの葛藤は強かったですけどね。 でも、事業として成り立たせなければならなかったし、スタッフにも成長してもらわなければならなかったので……。
「レベルを調整する」とは、具体的にはどういうことですか?
例えば、当時、価格帯で言うと5000万円の家を中心にやっていきたかった。 でも、5000万円の家を立てるために求められるノウハウを、営業にも設計にも現場監督も持ち合わせていない。
だから、当初想定していたターゲットよりも、少し低価格で、施工的な難易度がそこまで高くない物件を中心に受けました。 同時に現場監督のところで働く大工さんや左官屋さんといった職人さんたちも腕の良い人たちを紹介してもらうことで、少しずつクオリティを高めていく作戦をとりました。
その結果、5年くらいかかったけど、ノウハウも蓄積されて、品質も上がって、価格帯も少しずつ上ブレしていって……まだまだ現在進行形ですが、ようやく個人個人のレベルが理想に追いついてきた感覚はありますね。
「スタッフの成長」というお話もありました。人材育成についても教えてください。
住宅建築業界って、クレーム産業と呼ばれることもあるんですよ。でも、少なくとも当社ではなくしたい。 当然人間が関わるからゼロにはならないかもしれないけど、確率的には非常に低くなってきている感覚があります。 たとえば、営業、設計、現場監督のうちの誰かのレベルが足りなくても、チームでカバーできるような体制はできつつありますね。
とはいえ、何か特別なことにチャレンジしたわけではありません。スタッフたちが楽しくスキルアップできるようにお金や時間をかけてきました。 「人に投資する」という表現が正しいかもしれませんね。働きやすい環境を整えたうえで、難易度の高いミッションを与えて、成長を促すという。 シンプルですが、そういう体制を整えています。
当社が展開する建築、インテリア、土木の仕事って技術的な要素が強いかもしれませんが、ビジネスの成否を担うのはやっぱり「人」なんですよね。 それは創業当初から変わらない想いです。