2017.6.5 世界を旅する建築会社
イタリア

ミラノサローネで見た、心躍る色彩「Paola Lenti」&左官職人「松木憲司」

カジャデザイン代表 大熊 英樹

最高のインスピレーションを感じた「Paola Lenti」&日本の伝統文化を引き継ぐ左官職人「松木憲司」

前回のレポートでは、ユーモアを効かせた特徴的な世界観で空間を表現するmoooiについての語りました。今回は、自分の心に触れた「Paola Lenti」&日本の伝統文化を引き継ぐ左官職人「松木憲司」についてお話しします。

まずはパオラレンティから。

アウトドアファニチャーやラグなどで有名なハイブランドメーカーですが、今年はインドアにかなりウエイトを置いて空間構成をしている印象でした。
郊外の倉庫を丸々借りて光の入り方や風感をとても意識してインスタレーションしていました。

入口です。

気になった素焼きのタイルが天板に採用されているダイニングテーブル!!!
色感、素材感、パターンが絶妙でした。写真があまりよくないのでしっかりと伝えられないのが残念です。

上で見ていただいたダイニングテーブル同様、素焼きのタイルを天板のデザインとして採用したローテーブル!!!
ランダムな仕上がりのタイルをバランスよくローテーブル天板として採用していました。
最高に美しかったです。

三重県四日市から、左官職人集団「蒼築舎」が日本伝統の左官土壁技術を伝えるべく出展していました。作品はもちろんですが、素材である土や石灰の種類や配合などもゲストに分かりやすく、イタリア言語でディスプレイしていました。

代表の「松木憲司」さんが直接対応してくれました。
松木さんは、当社の住宅建築に携わる左官職人「佐々木康祐」の親方でもあります。(こちらも是非 空想レジデンス ぬりかべの家)
15歳で左官職人に弟子入りし、イタリアには2015年から来訪し日本の土の文化と技術を積極的に伝える活動をしている。ハートは熱い!!!それでいて柔軟かつ臨機応変な広い視野で物事にトライアルしているそんな印象を感じ得る素敵な方でした。

外ではワークショップが行われていました。
プロの左官職人さんから一般のゲストまで思い思いに楽しそうに土いじりをしていました。

自分で製作した作品を前に同僚と談笑・・・二人とも女性の左官職人です。

室内の展示ブースはお洒落で、ゲストが食い入るように興味津々で作品を見ていました。

Paola Lentiと左官職人集団「蒼築舎」いかがでしたか?

オシャレでスタイリッシュな家具と日本伝統の左官文化~工芸!!!
対照的な見え方だったと思いますが、どちらも素材の「質」の大切さに重きを置いている部分は共通していて、その共通している「質」が高いからこそ感動が生まれ、高い評価を頂き、多くのファンがいるのだと思います。

テクノロジーがものづくりにどんどん取り入れられている時代ですが、芯の部分の素材感や質感のレベルがしっかり担保されていないと、結果出来上がった商品に対する感動は生まれないと思います。

Paola Lentiは、素材の質感とデザイン性、そして耐久性のバランスが最高に均一化されているから世界のゲストが認めるハイブランドで居続けるのだと思います。
左官職人集団「蒼築舎」の作品も素材の質や配合そして磨きへの拘り、伝統技術の継承がしっかりとなされているから、日本を飛び出し海外でも高い評価を頂けるのだと思います。

オシャレやカッコいいみたいなものの根元には、素材の質がしっかりと根を張り支えられている。
どちらも滅茶滅茶お洒落でした。感動しました!!!!!