私の尊敬する偉人、台湾の歴史教科書に載る日本人土木技師「八田與一」に会うための旅 - 1
こんにちは! KAJA DESIGN代表の大熊です。
今回は、私の尊敬する日本人土木技師「八田與一」さんの慰霊に台湾に行ってきました。
その旅の様子と、お洒落に変わりゆくクリエイティブな国「台湾」についてのレポートです。
今回のレポートは、建築事業とは全く関係がありませんが、当社が創業時から営んでおります土木事業においては、神のような人物であること!!!
そして何より人として尊敬すべき「仲間を大切にする」という事を国境を越え実践した彼について、少しでも多くの方に知っていただきたいと思い書いています。
土木技師 八田與一
八田さんについて簡単にご紹介します。
1895年、日本は日清戦争に勝利し台湾を統治することになります。
台湾国内の食糧不足を補い、農業強化のために、干ばつと塩害で作物もほとんど取れない南部の嘉南平野に八田氏は土木技師として派遣されました。
そして、10年以上の歳月を経て当時、東洋一の貯水量1億5000万トンの貯水量を誇る「烏山頭ダム」と16000キロ万里の長城の6倍もあるかんがい用水路を建設しました。
総工費は、現在の金額に換算すると5000億円を超える大工事だったそうです。
烏山頭ダムです。
このダムにより、3年輪作が可能になり、水田は30倍に増加しサトウキビ・雑穀なども栽培できるようになり、台湾南部が台湾経済を大きく支えるようになったそうです。
また、彼が行ったのはダム建設だけでなく、現場で働く労働者が家族と一緒に暮らせる様にと宿舎をはじめ、学校や病院まで建設し、働く人々を平等の精神で、環境を整えることに尽力し、日本人・台湾人の隔てなく行員を指導したそうです。
では、旅の様子です。
烏山頭ダムを訪れるため、台北駅よりいざ台南へ
出発は、台湾の経済の中心台北駅からです。
スタバでラテを買って改札に向かいます。
駅のホームは、日本と全く同じ!!!
クリーンでみんな整列して電車を待ちます。
社内は、飲み物(コーヒー・ジュース・お水)は無料でいただけます。
新幹線のグリーン車より、恵まれた環境かもしれません。
2時間弱で台南駅に到着です。
台南に到着し、いよいよ烏山頭ダムへ
タクシーで30分「烏山頭ダム」に到着。
ダムへは、徒歩で向かいます。目の前に広がるダムの規模ときれいな景色に感動すら覚えました。
このダムのほとりの高台に、彼の慰霊碑と彼と奥様「外代樹」さんのお墓ががあります。
彼の慰霊碑は、烏山頭ダムを真正面に臨む位置にあり、工事中現場を見ていた時によくしていた格好のまま銅像が象られています。
慰霊碑から臨む「烏山頭ダム」の景色です。実に美しい!!!!!
平日だというのに、慰霊碑にはたくさんの花が手向けられていました。
彼がどれだけ台湾の人々に大切にされているのかを、この様子を見て確信しました。
慰霊碑に近づくとなんだかこみ上げるものを感じ、自然に涙が流れました。
続いて、工事中に亡くなられた皆さんが眠る慰霊碑へ。
台湾人・日本人の名前が順不同に彫られていました。こんなところにも、彼が分け隔てなく一緒に働いていた仲間を大切にしていたのだろうと想像させる「跡」を感じました。
続いて記念館へ 八田與一紀念公園
台風後で、あちらこちらで復旧工事が行われていました。
記念館の中にあった沢山の掲示物を見ていると、彼が徹底していた「仲間への配慮」を再認識させられる、深い話・説明が本当に多く本当に多くありました!!!!!
館内に、分かりやすくアニメーション化された台湾政府が制作した動画が流れていました。
感動しました。この旅に付き合ってくれたスタッフも彼の人間性に感動していました。
台湾政府が、他国の故人を継承していくためにここまでしてくれている事に感謝感謝!
当時のまま、大切に保存されている宿舎です。
当日は、台風で傷んだ部分を修復していて、八田さんが暮らしていた住居は見学できませんでしたが、他の住居も含め大切に大切に保存されたいました。
見学も終わり、外に目を向けると目の前の道に「八田路(Hatta Rd)」とありました。
この人は、本当に台湾の人に愛され、台湾の人に尊敬されている偉人なんだと同じ日本人として誇りに思いました。
まとめ
彼の様に同じ空間で働く人々を家族の様に一番に考え、平等に「分け隔てなく」自然に接する姿、そして、環境の大切さを「自分事」とし行動できる心優しい人間でありたいと思いました。
また、彼を地域の台湾の人々がどれだけ大切にしてきたのか、完成したダム・かんがい用水路にどれだけ感謝を頂いているのか、説明を必要としない「素晴らしい価値ある仕事」をしてきたと言う証しなんだと思いました。
当社も、彼の建設したダムほど大規模な仕事をしているわけではありませんが、同じ地図に残る仕事をさせていただいています。
彼の慰霊碑の前で手を合わせいろいろと考えさせられました。
「人に感謝される価値のある仕事ってなんだろう?」
もう一度、創業当時の熱量を思い出し、初心にかえって日々仕事に取り組もう!
そうすべきだと、教えられたような旅になりました。