旅の終着地、リゾートの本質を知る-出張レポートvol.03-
Vol.01-02でお伝えしてきた、3年ぶりの海外出張レポートもいよいよ最終章となりました。一つひとつその場所を訪れ、丁寧に紐解いてきた本物のリゾートを学ぶ旅は、ついに最終目的地に辿り着きました。
心から寛げる空間には、何が必要で、何が不必要なのか?
その答えを教えてくれたのが、アマンジウォ(AMANJIWO)でした。カジャデザインが提供する「本物」のリゾートとは何かを、アマンジウォで体験を通して感じることが、この旅の最終ミッションです。
「何もしない贅沢」を知ること。
みなさんは旅行をする際に、どのような過ごし方をされるでしょうか。観光地を巡ったり、お土産を買ったり、その場所によって楽しみ方がたくさんあると思います。
その真逆の環境をあえて選び、「何もしない」を満喫することができるのがアマンジウォです。
アマンジウォは、ホテル内にBGMを流すスピーカーもテレビモニターも一切ありません。ロビーやレストランなどのパブリックスペースだけでなく、プライベートスペースであるヴィラ内にもありません。
そこにあるのは、優しく響くガムラン演奏と木々のざわめきや鳥のさえずりだけ。BGMはないけれど、無音の居心地の悪さはなく、心落ち着く時間が流れます。
また、アマンジウォの周辺には特に目立った観光施設やショップはありません。ですので、滞在中はそのほとんどをホテルの中で過ごします。なので「何もしない」を邪魔せず、なおかつ飽きさせない工夫やおもてなしが随所に散りばめられています。
たとえば、ヴィラの中にはスケッチブックやハガキ、水彩絵の具が用意されています。それは、宿泊者がそこでの滞在で気に入った景色を描いたり、絵葉書として使ったりするため。スタッフに言えば本当に投函までしてくれるそうです。何気ないことだけど、そうした体験をそっと提案してくれているようで心が温まります。
他にも本と一緒にオリジナルの本のしおりがおいてあったりと「何もしない」をお手伝いするアイテムとアイデアがあります。ゲストはそれを使っても使わなくても自由。それぞれが心休まる時間を見つけて寛ぐことができる空間が整えられています。
カジャデザインが住宅で創りたい空気感がそこにある
アマンジウォは1997年にオープンしたリゾートホテルです。
世界遺産ボルブドゥール遺跡に対峙するように建てられたそのホテルは、雄大で神秘的な雰囲気を纏っています。ストゥーパ(仏塔)をモチーフとした形状がその地の文化と自然を大切にしていることが図り取れます。
この穏やかでゆったりとした時間の流れはどこからくるのだろうか。
その大きな一因になっているのが、建物全体に使用されている天然石材です。優しい生成り色にユニークなマーブル模様を描くその石材は、建物の曲線にしっくりと馴染んでいるように感じます。
そのホテルに滞在しながら、この石材を東京の住宅に落とし込むアイデアやデザインを熟考してきました。カジャデザインでは今や、外装、内装にも使用できる天然石材として、長年不動の人気を誇っています。
オープンから25年という年月を重ね、時の経過とともに味わい深くなっていく。
必要な箇所な丁寧にメンテナンスをして、より過ごしやすい空間にアップデートしていく。これは、日本における住宅にも置き換えることができると考えています。
カジャデザインが提案する注文住宅も、フルオーダーだからこそ経年変化を考慮した素材選びやデザインを重視しています。時の流れとともに味わいを増し、奥深い趣を感じる住まいを目指しています。長年家族とともに暮らす家が、いつまでも色褪せず、心豊かに過ごせるように。
気がつけば心地よく過ごしている、アマンのホスピタリティ
世界中に心休まる時間を提供しているアマンリゾートは、建物やロケーションだけが素晴らしいわけではありません。宿泊して初めて感じる、アマン流のおもてなし。
今までもいくつかのアマンリゾートに宿泊したことのあるカジャデザインですが、世界中どこあっても、そのおもてなしの精神は一貫しています。
アマンジウォのスタッフも、ゲストが何を求めているのか、どうしたらリラックスできるかを徹底的に見極めてます。全く見ていないようで、しっかりと観察し、ゲストが気がつく前に望みを叶えてくれるのです。まさに、痒いところに手が届くサービス。むしろ、『痒い』と思ったときには、すでに優しく掻いてくれているといった感覚です。
しかもそれが、極々自然でさりげない。
今回の滞在でも、アマンジウォならではのおもてなしがありました。
私達が宿泊したお部屋は、贅沢な事にアマンジウォにただ一つしかない、ダレムジォスイートというお部屋でした。
ダレムジウォスイートは、水田に囲まれた1,200㎡の広々としたスペースに、2棟のベッドルームパビリオンと、石造りのスイミングプール、ラップアラウンドテラス、屋外ラウンジバレが備わっています。さらにお部屋に直接車を付けられる、専用エントランスが付いているという、なんとも贅沢なつくり。
そして、24時間体制で対応してれる専用のバトラーがついています。ヴィラ内の少し離れたところに、バトラーが待機する部屋があり、何か困ったことやお願い事があるときには、すぐに駆けつけてくれます。
旅の最終日、私達がバトラーにホテル内を散策することを告げると、「プールは入らないの?」と聞かれました。せっかくだから、共有の大きなプールに入ることにし、一時間程度お部屋を離れました。部屋に戻ると、「お風呂をいれておいたから、温まってくださいね。」と声をかけてくれました。
それだけでも、素晴らしい気遣いだと感動したのですが、実際は私達の想像をあっさり超えてきました。アウトドアにあるバスタブをみると、バスタブいっぱいに色鮮やかな花びらが浮かべられています。周囲は花の香りに包まれ、本当に夢のような空間が現れたのです。
「これが本当のおもてなしなんだ。」と、体験を通して学ぶことができました。それは、インターネットで見るよりも、誰かに話を聞くよりも、記憶に残りこの先のサービスに活かされるでしょう。
カジャデザインで家を建てるお客様は、特別な想いやこだわりを持った方がほとんどです。そして、新築で注文住宅を建てるということは、生涯でとても大きな買い物です。
何度も打ち合わせを重ね、図面通りに造り上げることは当然ですが、家づくりの過程そのものにも感動や喜びを感じてほしいと思っています。そのために、私達ができることは、まだまだ沢山あるはずだと改めて感じた瞬間でした。
この特別な体験を無駄にしないよう、一つひとつ丁寧にカジャデザインならではのおもてなしを実現していきたと思います。
リゾートに本質に迫る旅は続く
今回3年ぶりに本格的に再始動した世界を旅する建築会社カジャデザイン。
旅のメンバーには、初めてインドネシアに行くスタッフも何度目かのスタッフもいましたが、皆同じようにリゾートの心地よさ、住空間の重要性を感じることができました。
カジャデザインが提供したいのは、『リゾート風』の住宅ではなく、『本物』のリゾート住宅。
本物のリゾートを構成する要素をたくさん吸収してきた私達は、それを日本でお客様への住空間のご提案やサービスに反映させていきます。
その為に、これからも世界にある数々の素晴らしいリゾートに出向き、情報や知識をアップデートし続けていきたいと思っています。
「家が、理想のリゾートになる。」
この言葉の本質をしっかりと理解し、体験しているからこそできる提案がカジャデザインにはあります。
自分にとっての心休まるリゾートがどういったものなのか、改めてじっくりと考えてみることもおすすめです。そして、カジャデザインで新築やリフォームを検討される方は、その想いをすべて私達にぶつけてください。その先に、世界に一つしかないリゾート住宅を一緒に造り上げていけたら、こんなに嬉しいことはありません。