モロッコの旅 レポート02「モロッコスタイルのゲストハウス リヤド」
マラケシュ メナラ空港から市内に入った私たちは、初日の宿泊地となる「リヤド」に向かいました。
「リヤド」とは日本でいう民宿のような、モロッコスタイルのゲストハウスのことを指します。
モロッコの伝統家屋を旅行者向けに改装したリヤドはマラケシュ市内にはいくつも存在します。
今回のモロッコ マラケシュの旅ではリゾート訪問だけでなく、モロッコの文化を知るためリヤドにも数ヶ所宿泊しました。
路地を進むと現れるリヤドのエントランス
前回のブログでもお伝えしたように、マラケシュの旧市街「メディナ」はアリの巣のように路地が入り組んでおり、私たちが宿泊するリヤドもこの路地群の中にあります。
路地群の中は車も通れないほど狭いため、私たちは近くの広場で車を降り、そこから徒歩でリヤドに向かいました。
建物に囲まれた路地。
壁には所々に勝手口のような扉があり、実はこの扉がリヤドのメインエントランスとなっています。
シンプルな扉や装飾された扉などデザインも様々あり、私たちの感覚からはここが宿泊施設とは想像ができない入り口です。
リヤド内に広がる別世界
リヤドに到着して中に入ると、そこには別世界が広がります。
今まで歩いてきた街の喧騒や、狭い路地の窮屈な感覚から解き放たれ、静かで安らぎのある広い空間がそこにはあります。
エントランスを入るとまず現れるのが中庭です。
元々アラビア語で「庭」を意味するリヤドには必ず中庭があり、その中庭を囲むように宿泊用の居室が並びます。
吹き抜けの中庭
中庭は吹き抜けており、空が見えて室内外がつながった吹き抜けや、2階まで吹き抜けておりガラス天井を設けてる場合もあります。
中庭の中央には噴水や水盤が配置されていたり、10mを超える木が植えられた庭園スタイルなど、リヤドそれぞれの演出を施しています。
中庭にあるくつろぎスペースとダイニングスペース
中庭の周りにはソファーやテーブルなどが置かれたくつろぎスペースがあります。
ここはレセプションやロビーのような機能をしており、リヤド到着後のゲストリストの記入や宿泊費のお支払いをここで行います。
また私たちが訪れたリヤドでは、中庭の隣にキッチンがあり、食事は中庭や中庭に隣接するダイニングスペースで摂ることができます。
リアド内に施されたモロッコの空間装飾
空間は床・壁・天井だけでなく手すりや窓枠などが装飾で埋め尽くされています。
カラフルなタイルや石膏を掘って作ったレリーフ、また塗装など、様々な素材や技法が使われています。
幾何学模様やイスラム建築で使用されるアーチが多用されており、まさに「モロッコに来た」と感じさせる装飾です。
モロッコを訪れるとよく目にするタイルやまたその装飾は「ゼリージュ」呼ばれ、日本でもモロッカンタイルという名前で耳にすることがあると思います。
伝統的に使われてきたゼリージュは今でも職人の手作業により製造され、また施行されて模様が作られるそうです。
リフォームや増築を繰り返すリヤド
レセプションやダイニングの機能を果たすリヤドの1階の中庭スペース。
居室は主に2階以上にあります。
実はこのリヤド内も街中の路地群のように入り組んだ作りになっています。
リヤドは古い伝統家屋を改装して使っているため、元々の建物をリフォームして部屋を作ったり、増築を繰り返してきたためこのような形になったとか。
細い通路や階段が建物内のいたる所にあり、そこを抜けて居室へと向かいます。
通路も室内外の隔たりがなく、室内の階段を抜けると室外に出てテラスになっていたり、外通路に突然プールがあったりなど、まるで子供の頃憧れた秘密基地のような建物です。
モロッコ独特の路地群とリヤド建築で感じれられるもの
リヤドに来るまでの路地とリヤドの中で感じられる、狭い空間と広がる空間のコントラスト。
この独特の路地群と建築には、探検をするようなワクワクさと、広い世界に出た時のような爽快感を体験することができます。
そしてリヤド内に施されたモロッコの装飾は、歴史の中で育まれた伝統が詰まっており、決して日本にはないゲストハウスでした。
リヤドはモロッコ国内の都市にあり、またリーズナブルな金額で宿泊することができます。
皆様もモロッコを訪問された際は、是非リヤドも宿泊先として検討してみてはいかがでしょうか?
世界を旅する建築会社ブログ モロッコの旅シリーズ
モロッコの旅 レポート01「新たな国、新たな街 マラケシュ」
モロッコの旅 レポート02「モロッコスタイルのゲストハウス リヤド」[本ブログ]