トルコ・ギリシャの旅 レポート01「 新たな石材を求めて 世界有数の産地トルコへ」
「世界を旅する建築会社」であるカジャデザイン。家づくりで世界中のリゾートを表現するため、海外を旅し、その国の風土や文化、建築、空気感を肌で感じることを大切にしています。年に3回海外研修を行い、最先端のデザインに触れるイタリア・ミラノ、カジャデザインのルーツでもあるインドネシアのほか、これまでスリランカやタイ、インド、モロッコ、アメリカなど世界各国を旅してきました。
今年6月に向かった先はトルコとギリシャ。その様子を3回にわたってレポートします。
トルコへ向かった目的とは?
アジアとヨーロッパにまたがり、東洋と西洋の交差するエキゾチックな国・トルコ。世界遺産に登録されたイスタンブールのアヤソフィアやブルーモスク、カッパドキア、トロイの古代遺跡など名所がたくさんあるだけでなく、エーゲ海と地中海、黒海に面し、温暖な気候のエーゲ海や地中海沿岸部はリゾート地として人気です。



トルコで本格的な夏が始まる6月。イスタンブールに降り立ったのは、カジャデザインの営業・プロデューサーの宇津木剛志、現場監督の高橋龍平、積算購買部の木村慎也の3人。今回トルコを訪れた最大の目的は、新しい石材を探すため。営業・現場・積算のそれぞれの立場から石材を目利きするために3人が選ばれました。

カジャデザインと言えば、海外から厳選した天然石。地層のようなマーブル模様と柔らかなクリーム色が人気の「クイン」、力強さを感じさせる溶岩石の「ヒタム」、独特の色むらが魅力の「ヴィエラストーン」など個性豊かな石材をとり入れ、リゾートの空気感を表現してきました。いずれの石も現地に足を運んで厳選したものです。これまではインドネシアの石材が中心でしたが、新たな石材をラインナップするためトルコを訪れました。



トルコを選んだ最大の理由
実は、トルコは世界でも有数の石材の産地。街中を見ればわかる通り、建物にたくさんの石材が使われています。トルコ全土に採石場が点在し、種類も豊富です。
今回のお目当てはトラバーチン。トラバーチンと言えばイタリアを思い浮かべますが、イタリア国内では採石量が減っており、歴史的建造物の修復のためにトルコから石を輸入しているというほど、トルコの石は質の高さで有名なのです。

到着後、イスタンブールからトルコ第4の都市と言われるブルサまで車を走らせ、3人が向かったのはトルコの中でも大規模な石材メーカー。工場ではコンピューター制御によって非常に高い精度で次々に石が加工されていきます。
「さすがトルコ石の国だけあって、世界最先端の設備を導入していてすごかったですね」(木村)



大理石発祥の島、マルマラ島へ
翌日イスタンブールからフェリーで向かったのは、アジアとヨーロッパに挟まれたマルマラ海に浮かぶマルマラ島。ここは大理石発祥の地と言われ、マルマラがマーブルの語源になっています。ビザンティン帝国やオスマン帝国時代には大理石で大いに栄えたそう。「マルマラホワイト」と呼ばれる白大理石が有名で、トルコ各地の歴史的建造物や遺構に使われています。



その翌日に訪れたブルサの街中では、マルマラホワイトを外壁に使った「ウル・ジャーミィ」を発見。この建物は600年前に建てられたもので、マルマラホワイトが長い時間をかけて風化したような風合いとなり、3人はすっかり魅了されてしまったそう。
「カジャデザインは、インドネシアの遺跡や有名なホテルで使われていたり、石が持つストーリーや背景を大切にしてきました。世界遺産にも使われている石が自分の家に使われているなんて、すごく素敵なことだと思うんですよ。ついつい数百年前のモスクの壁に惹かれてしまうのは、カジャデザインの性なのかもしれませんね…」(宇津木)



カジャデザインらしい石とは?
ブルサからアフヨンに向かい、石材メーカーの視察。ダイナミックな模様や洗練された美しいマーブル模様など、さまざまな模様や色、特徴の石があり、迷ってしまいそうですが、どのような基準で石を選ぶのでしょうか。
「現場の立場から見ると、まっすぐになっているかなど、精度を見ますね」(高橋)

日本向けに石を輸出するには、石材の糸面加工(石の角を糸のように細く面取りする加工)をする必要があります。その加工ができる工場であることが条件の一つですが、さらに3人は何よりも「カジャデザインらしさ」が大切だと言います。
「質感があって、個性豊かなものがカジャデザインらしいと思いますね」(木村)
2日間かけていくつもの石材メーカーをめぐった3人。数々の石を見るなかで、「これだ!」と3人の意見が一致。果たしてその石とは……。
次回は、この度の最大の目的である「カジャデザインらしい石材」との出会いと買い付けについて深掘りしていきます。

