2019.12.13
【本と過ごす家】オーナーインタビュー

効率とくつろぎ、メリハリのある暮らしの実現

企画開発部 郷 奈美子

今回お話をお聞きしたのは、昨年都内にご新築をされたNさまご夫婦。

お引き渡しから約1年が経過したNさまのご自宅で、その住み心地の感想や家づくりの過程を振り返って頂きました。

ご夫婦共にクリエイティブなお仕事をされているお二人。その生活リズムや理想の暮らし方に合わせて、それぞれの工夫やこだわりが至る所に散りばめられています。

ご入居後のインタビューに応じてくださったNさまご夫婦

1Fにまとめた家事動線、メリハリのある空間構成

ーお引き渡しから、約1年が経過されましたね。実際に暮らし始めて、新居の住み心地はいかがですか?

奥様:

ひとことで言ってしまうと、住みやすいですね。

2FのLDKは、一年を通して気温が安定しているし、明るく開放的でとても快適に過ごしています。

ご主人:

そうですね。広いLDKと大きな吹き抜けと言うのは、家づくりにおいて一番優先順位が高かったのでそれが実現できて大変満足しています。

ー本当にとっても開放的なLDKですね。図面上で見ると約42帖という贅沢な広さ!
都心の一戸建てでここまで広いリビングを実現するとなると、土地選びや間取りなど色々な工夫が必要だったのでは?

ご主人:

もともと、この辺のエリアで家を建てようというのは決めていたのですが、最初は予算のバランスなども考えて、もう少し小さい土地で探していました。

いくつかの土地を見ている中で、突然ポンと出たのがこの土地だったんです。今まで検討していた土地より10坪程度広い土地で、形も非常に綺麗でした。なんでも、もともと買い手が決まっていた土地だったらしいのですが、急遽キャンセルが出たとかで。

もちろん広くなった分、想定していた予算は超えてしまっていたのですが、自分たちの理想を実現するためにここは妥協せずに決めようと、思い切ってその場で決断をしました。結果的に、あそこで躊躇せずにこの決断をして本当によかったと思っています。

木造建築で実現した、大きな吹き抜けが開放的なリビングルーム

奥様:

あとは、炊事以外の家事動線を全て1Fにまとめたのもよかったと思います。

最初は2Fのリビングと同じフロアにお風呂があった方が使いやすいと思っていたので、1Fがお風呂ってどうなんだろうと不安な気持ちもありました。でも、リビングと同じフロアにバスルームがくると、リビングが一気に狭くなってしまいます。私たち夫婦にとって広いLDKというのは優先順位は高かったので悩みましたね。

打ち合わせ当初の図面を見ながら、家づくりの過程を振り返る

ー確かに、バスルームには洗面室や洗濯機置き場があったりと、結構スペースを取られてしまいますもんね。
では実際に生活してみて、リビングと別の階にまとめた生活動線の使い勝手はいかがでしたか?

奥様:

実際生活してみて思ったのは、お風呂から寝るまでの行動が全て1Fを回遊しながら完結できるのが、すごく楽だということです。
家族全員の衣類が入る大きなファミリークローゼットとランドリースペースがひと続きになっていて、バスルームへと繋がっています。

そしてお風呂を上がるとそのまま寝室に向かうことができます。実家に住んでいるときは、自分の寝室とバスルームが別の階にあったので、お風呂に入ろうとすると着替えを取りに行って、それを持ってまた階を移動して…階段の上り下りがすごく面倒に感じていたんです。それがないのが、とても快適だと思います。

ご主人:

玄関から入って、回遊した最終地点が寝室になっているんです。平日は仕事で帰りが遅くなることも多くて妻と子供はすでに寝ているのですが、この回遊性のある1Fのおかげで家族に気を使わずに帰宅後の時間を過ごせてます。
書斎でちょっと仕事や読書をして、お風呂に入り、寝室に行く。平日は、ほとんど2Fに上がりません。ホテルに泊まっているような感覚に近いですかね。

ーなるほど。この潔いまでの空間構成がNさまご家族のライフスタイルにぴったりとハマったんですね。しかし、平日はほとんど2Fに上がらないというのは、驚きました(笑)。

ご主人:

そうですかね(笑)。逆に、週末は2Fのリビングやライブラリースペースでのんびり過ごしていることがほとんどです。『週末はゆったり、平日は効率よく』といったメリハリのある生活が自分にとっては、すごく合っているんです。

プライベートチェアを置いたライブラリースペースは、ご主人の特等席

バスルームは、家の中で変化が生まれる場所

ーご主人の中で、バスルームにもこだわりがあったとお聞きしました。バスルームに対してどんなことを求めていたのですか?

ご主人:

バスルームは広いLDKの次にこだわりがあった場所です。お風呂って、家の中で変化が生まれる場所だと考えているんですね。

例えば、旅館とかでもお風呂によってその良し悪しには大きく影響が出てくると思うんです。客室内は、ある程度想定の範囲だったとしてもそこまで気にならないのですが、お風呂がありきたりだったらちょっとガッカリしませんか?
広々としていて空間自体の雰囲気が良ければ、その時間が特別なものになると考え、お風呂には特別こだわりました。

ー家全体はモダンで洗練された印象にまとまっていますが、バスルームは和のテイストを取り入れたシックで落ち着いた雰囲気に仕上がっていますよね。

ご主人:

そうです。あるショールームを見学した際にこの浴槽を見つけてピンときました。
このメーカーは、実際にAMAN TOKYOで採用されているお風呂を造っているメーカーだったんです。もともとAMAN TOKYOは好きでしたし、自宅のバスルームにそのテイストを取り入れられるというのはとても心を動かされました。

禅の静けさを持つ、モダンジャパニーズなバスルーム

奥様:

私はもともと、子供もまだ小さいので「お風呂は流れ作業で済ます」という考え方だったので、お風呂に対してのこだわりはそこまでなかったんです。

ユニットバスでもいいかな、くらいに思っていました。
ですが主人のこだわりを知って、そこは主人の意見を尊重する形でデザインが決まりました。実際にこのお風呂になって、私自身も週末はゆっくりお風呂に浸かったり、そういう時間ができたことは今までの暮らしにはなかった良い変化だと感じています。

ご主人:

お風呂が大きくなった分、溜める水の量も以前の倍以上になったので、最初の水道代を見た時には驚きました(笑)。

奥様:

そうそう、お風呂がたまる時間も倍以上になりましたね(笑)。でも、慣れればなんて事ありません。あと、浴室の床暖房も入れてよかったと思います。すごく快適。

ご主人:

妻と朝の支度の時間帯がかぶることもあるので、広い洗面台に2ボウル設けたのも正解でした。
そうした、日常のちょっとしたストレスになりうるポイントをシミュレーションして、それを回避できるように仕様を決めていきましたね。

広々とした2ボウルの洗面台もフルオーダーで制作

掃除やメンテナンスを考慮した収納計画

ーお引き渡しから1年が経っているNさまのお宅ですが、とっても綺麗に使ってくださっていますね。小さいお子様もいるのに、生活感があまりないというか、すごくすっきりと整理整頓されている印象です。

奥様:

これは全部収納のおかげなんです。実は私、整理整頓は得意な方ではないんです。その自分の性格を理解していたので、収納スペースには細部までこだわりました。整理整頓しなくても、物が片付けられて、それが隠せるようにしたかったんです。

LDKのある2Fには大きなパントリーと造作の収納を設け、日用品の一切をそこに収納できるようにしたんです。キッチンの表に出ているカウンターには、おしゃれなカゴを置いて頻繁に使うものやちょっとした果物などはその中にしまっています。整理整頓が苦手な私でも、物の置き場が確保されていることで迷うことなく『片付ける』という行動ができるんです。

むしろ、片付けているという感覚がないくらいです。

キッチン背面収納の裏側には大きなパントリー、そしてダイニングを囲むように大容量の収納を設けた

ご主人:

うちはもともと、洋服を畳むという習慣がありませんでした。コートからTシャツまで、洋服類は全てハンガーにかけて収納をすることが効率的だと考えています。

なので、1Fのウォークインクローゼットにはとにかくたくさんハンガーを掛けられるように設計してもらいました。

ー効率的な収納計画が見事に実現されているんですね。

ご主人:

やっぱり家に帰ってきて物が乱雑に置かれていたりすると気持ちいいものではないですよね。

常にすっきりと片付いている状態を保つために、収納をベースに間取りを決めたと言っても過言ではありません。そのおかげで、いつも気持ちよく家にいる時間を満喫することができています。

シンプルな空間を彩る、インテリアとマテリアル

ー効率的な空間構成にも感動しましたが、LDK、そして吹き抜け部分のライブラリースペースの、洗練されてスタイリッシュなインテリアデザインもとっても印象的ですよね。どのようにして、こういったスタイルに辿り着いたのでしょうか?

ご主人:

2Fの間取り自体はとにかくシンプルで、建物的には要素が極端に少ないんですよ。そこでどう表情をつけていくかとなると、素材や家具だと思ったんです。

カジャデザインオリジナルの石材『クイン』は、ホームページで事例をみた時に大変気に入りました。TVボードの壁一面と中庭の壁に貼ったんですけど、打ち合わせ中は「もっとたくさん貼りたい!」と要望を出すくらいでした。結果的に、やりすぎず程よい所で止めておいて良かったです(笑)。

TVボード側の壁面と中庭の壁面に貼りめぐらされたオリジナルストーン『クイン』

奥様:

家具も、TVボードからキッチン収納、スタディーカウンターに至るまでそのほとんどを造作してもらいました。

造作にすることで、建物と家具が自然に馴染んで空間全体がまとまって見えるんです。機能的にも、サイズや棚の高さなども自由に決められるので無駄がなくとっても使いやすいです。
間取りがすんなりと決まった分、そういった細かい所に時間をかけてじっくり検討できたのが良かったんだと思います。

ー確かに、内装の色・素材の統一感が完璧です。ダイニングテーブルやソファも、サイズ・スタイル共にバッチリですね。

ご主人:

家具などのインテリアは、カジャデザインさんに出してもらったCGパースに使われていた物をそのまま採用する形になりました。

使われている家具は全て、実際に購入のできるものでしたから。私たちの好みのテイストをきちんと理解してくれて、こういう提案をしてくれたんだろうと思います。

吹き抜け部分から見下ろしたLDK

奥様:

そういえば、全体のテイストもカジャデザインさんに提案してもらって大きく変わったよね。もともと、モダンで落ち着いた印象にしたかったので、漠然とベースカラーはダークブラウン系にしようと考えていました。

しかし、カジャデザインさんが持ってきた提案はそれと全く逆だったんです。オーク系のナチュラルな木材とグレーをベースとした明るいデザイン。
想像もしていなかったデザインでしたが、CGパースを見た時にその洗練されたスタイリッシュな雰囲気がとても気に入りそちらを採用することに決めました。

カジャデザインが提案し、採用されたCGパース
Nさまが当初希望されたダークブラウンベースのCGベースも比較用に作成した

ーカジャデザインは「家が、理想のリゾートになる。」をコンセプトに掲げていますが、それについてはどのようにお考えでしたか?

ご主人:

正直『リゾート』というキーワードだけを聞いた時は、ちょっと違うかなと思っていました。
カジャデザインさんを紹介してくれた不動産屋さんからもそのように聞いていたので、実際お話を聞き行ったのも、他の建築会社に比べると最後の方になってしまいました。

奥様:

私の持っていた『リゾート』のイメージが、家の中にサーフボードが飾ってあるみたいな、海とか南国とかだったんです(笑)。

ーなるほど、バリスタイルとかカリフォルニアスタイルみたいなことですよね(笑)。

ご主人:

そうですそうです。家具も木製だったり藤(とう)で編んであったりみたいな。
ですが、事例を見たり、吉祥寺のハウスギャラリーを見学してイメージは大きく変わりました。シンプルでモダンな中に、天然素材を用いた気持ちの良い空間が自分たちにはあっていると感じましたね。

いくつかの建築会社に出してもらったプランの中で、そうしたライフスタイルにあった効率的な間取りと自分たちにとって心地の良い空気感が実現できていたのが、カジャデザインさんを選んだ大きな決め手になったと思います。

ーありがとうございます。それでは、最後にNさまにとって理想の家を作るために大事にした方がいいと思うポイントを教えてください。

ご主人:

やっぱりやりたいことの優先順位をはっきりと決めて、それをブラさないということですかね。
そこを担当の営業さんや設計士の方としっかりと共有しておくことで、大きな後悔には繋がらない結果になったんだと思います。

あとは、そこで日々暮らした時の一日の流れをシミュレーションすること。朝起きてどう動くのか、夜寝るまではどういった動きをするのかを想定して、それが自然にできるプランにすることで小さなストレスなく生活を送ることができています。
そうやって、普段は効率よくコンパクトに生活して、休日は広々としたリビングや自分だけのパーソナルスペースでゆったりとくつろぐ、メリハリの効いた生活を送ることができています。

奥様:

私は、自分の性格を考慮した家づくりも大切だと思います。

自分たちが実際に暮らしていく中で、ストレスなく家をきれいに保つためには、どこにどんな収納があればいいのか、どんな生活動線であるべきなのか、そんな視点からの家づくりもあるんじゃないかなと思いました。

お引越しから約1年の月日が経過して、当時の家づくりを振り返っていただきました。
優先順位や効率を重視し、その中にご自身の趣味である読書やバスタイム、快適なワークスペースなど、生活を豊かにするアイデアが家中に溢れている、Nさまのご自宅。

私たちカジャデザインが考える「リゾート住宅」という概念、そして Nさまの考える「理想の家」、
お互いがその想いを共有し、深く理解しあえたからこそ、こうした家づくりが実現できたのではないでしょうか。
家づくりは、単純に建物だけを造るのではなく、そのご家族の生活を築いていくものなのだと改めて感じることができました。

Nさまの施工事例はこちらから。
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