2024.8.26
現場監督の自邸づくり

自邸を新築するスタッフの家づくりレポート Vol.2 「家づくりで初めに行う大切な神事、地鎮祭」

広報部 郷 奈美子

カジャデザインで自邸を新築することを決意した、現場監督の高橋。その家づくりのプロセスを、数回にわたってレポートします。

家を建てるプロセスではいくつかの儀式がありますが、地鎮祭(じちんさい)は家づくりの始まりとなる重要な儀式です。では、地鎮祭とは具体的にどのようなことを行うのでしょうか?カジャデザインのベテラン現場監督の高橋の家づくりから、地鎮祭の様子を詳しくご紹介します。

カジャデザイン 地鎮祭 注文住宅

地鎮祭とは?

高橋家の地鎮祭が執り行われたのは、まだ肌寒い2024年3月。地鎮祭には地元の神主と高橋家、カジャデザインが参加しました。高橋はこれまで現場監督として何度も地鎮祭に参加していますが、施主の立場としては初めての経験です。

カジャデザイン 地鎮祭 流れ
地鎮祭での高橋ファミリー

地鎮祭とは、建物を建てる前に執り行う儀式のこと。神主を招き、その土地の神様に対して、工事の安全と土地と建物が末長く安全で堅固であることを祈願します。日本書紀にも記されている伝統的な風習であり、その方式は仏教式やキリスト教式もありますが、神式が一般的。

義務ではないため、地鎮祭を行うかどうかは施主の判断となりますが、家づくりの始まりの儀式でもあるため、慣例として行うケースが多いと言えるでしょう。基本的な段取りはカジャデザインの方で行います。

日取りは、工事の日程と六曜をもとに決定します。一般的に「仏滅」や「赤口」を避け、「大安」「友引」「先勝」の午前中に行うのが、縁起が良いとされています。

高橋家では大安に実施しました。また、地鎮祭は雨の日でも執り行われることが多く、雨は土地を清め縁起がよいと捉えられています。

カジャデザイン 地鎮祭 安全祈願

地鎮祭の前に行う「地縄張り」

地鎮祭の前に行うのが、「地縄張り(じなわばり)」。これは施工会社が敷地に縄やロープを張り、設計図を確認しながら正確に建物の位置を示す作業のことです。地縄を見た時、奥さまは「人生初めての家づくりが、いよいよ始まるんだ!」と実感したそう。

また地縄で広さを確認して、「想像よりも大きいですね」と感想を述べた奥さま。
「一般的に、地縄は平面的な広さしかわからないので、実際よりも小さく感じると言われていますが、狭いとは思わなかったですね」と高橋も言います。

地縄張りで建物の配置や間取り、隣地との距離などを実際に確認し、地鎮祭後に地盤改良工事や基礎工事へと入っていきます。

カジャデザイン 地鎮祭 地縄張り
建物の位置にロープを張った敷地

地縄張りの立ち合い後、地縄の中央にテントを立て、祭壇が設けられます。祭壇の前に盛砂をつくり、祭壇の三方の上にお供ものを置きます。地鎮祭のお供ものは米、奉献酒、塩、海の幸、野菜、果物など。

施主がすべての準備をする必要はなく、お供えものと神主への初穂料(玉串料)を用意するのが基本で、儀式の設営や準備や神主の手配などはカジャデザインの方で行っています。

カジャデザイン 地鎮祭 祭壇

カジャデザイン 注文住宅 地鎮祭

地鎮祭の流れ

状況によって多少変化することはありますが、地鎮祭の流れをご紹介します。
まず初めに手水桶(ちょうずおけ)と柄杓(ひしゃく)で手を清めます。儀式は、「修祓の儀(しゅばつのぎ)」から「直会(なおらい)」までの10~12の工程で進められるのが一般的で、時間は30分ほど。なかでも特徴的な工程が「四方清祓(しほうはらい)」と「鍬(くわ)入れの儀」です。

「四方清祓」はお米と塩、麻を切って作った切麻(きりぬさ)などを撒き、土地の四方を祓い清めます。

カジャデザイン 地鎮祭 四方清祓
四方清祓の様子、大切な儀式に子供も参加
カジャデザイン 地鎮祭 四方清祓
工事の安全と家庭の繁栄を祈願する

「鍬入れの儀」は地鎮祭のメインイベント。これは、その土地に手をつけることを神様に伝える意味があり、鎌(かま)、鍬(くわ)、鋤(すき)を用いて、施主と設計者、施工会社が執り行います。

まず初めに、設計者が鎌で盛砂の草を刈る所作を行います。これは、建築地を整地するという意味を表します。次に基礎工事をするために土を掘ることを表す動作として施主が鍬で盛砂を掘ります。最後に、施工会社が土地の神様を鎮めるための鎮物を埋める動作として、鋤で軽く盛砂をかけます。

いずれも「えい、えい、えい」と3回声を出して行います。

カジャデザイン 地鎮祭 鍬入れの儀
設計者が鎌を入れる「刈初の儀(かりぞめのぎ)」

今回は施主として鍬の所作を高橋家が、鎌と鋤の所作をカジャデザインが行いました。

「これまでの地鎮祭で鋤での所作は何度もやってきましたが、施主側の鋤は今回が初めてですね」と高橋。

カジャデザイン 地鎮祭 穿初の儀
施主(高橋)が鍬を入れる「穿初の儀(うがちぞめのぎ)」
カジャデザイン 地鎮祭 鍬入れの儀
家族も参加して家づくりの大切な思い出に。
カジャデザイン 地鎮祭 堀初の儀
施工会社が鋤を入れる「堀初の儀(ほりぞめのぎ)」

その他にも、「玉串拝礼(たまぐしはいれい)」や「神酒拝戴(しんしゅはいたい)など、必要な儀式を執り行います。高橋夫妻と子供たちにとっても、なかなか体験することのない神聖な儀式が、家づくりの大切な思い出になることでしょう。

カジャデザイン 地鎮祭 玉串拝礼
玉串を祭壇に置き、地主神に捧げる「玉串拝礼(たまぐしはいれい)」
カジャデザイン 地鎮祭 神酒拝戴
安全を祈願して献杯する「神酒拝戴(しんしゅはいたい)。もちろん飲むふりで大丈夫。

地鎮祭が終わったら

工事が始まると大きな音がしてしまうため、儀式後はご近所に挨拶をし、騒音や振動が発生しそうな時期などについて説明をしておくことも大切です。こちらは通常、担当のプロデューサーや現場監督が同行して、近隣住民の方へのご挨拶や説明を行っています。

カジャデザイン 地鎮祭 近隣挨拶
これから長いお付き合いとなるご近所にあいさつ

地鎮祭が終われば、いよいよ着工!
次回は工事中に現場を覆うカジャデザインオリジナルの「家のギフトラッピングシート」についてご紹介します。

文 /  植本 絵美 ( Editor / Writer )

カジャデザイン 地鎮祭 注文住宅

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