現場監督の自邸づくり
スタッフの家づくりレポートVol.3 「建設中の大切な家を守る、ギフトラッピンングシート」
広報部
郷 奈美子
カジャデザインの現場監督を勤める高橋龍平の家づくり。地鎮祭が終わると、いよいよ着工！ 家づくりは完成がクライマックスと考えがちですが、カジャデザインはお客様に完成までの過程も楽しみ、一生の思い出に残るものにしてほしいと考えています。その思いから生まれたのが「ギフトラッピングシート」です。
カジャデザインオリジナルの「ギフトラッピングシート」とは？
高橋家の工事現場を覆うのは、カジャデザインのロゴが印刷され、ピンクとダークグリーンを組み合わせた「ギフトラッピングシート」。工事現場とは思えないようなカラフルなメッシュシートは道ゆく人々の目を引き、住宅街に彩りを添えています。
工事が始まると、建築現場は「現場シート」や「養生シート」と呼ばれるメッシュシートで覆われます。周囲に迷惑をかけないよう防音や防塵、落下物の防止などの目的としていますが、色は無地のグレーやブルーなどが多く、どこか味気ない印象です。
カジャデザインが提供する住宅は世界に一つしかないフルオーダーの注文住宅。まさに究極の贈り物と言えるでしょう。「家を包む現場シートは贈り物のラッピングと同じ」と考え、現場シートも特別なものにしたいと2018年に誕生したのが「ギフトラッピングシート」なのです。
ギフトラッピングシートには、お客様に完成までのかけがえのない時間もワクワクしながら楽しんでほしいというカジャデザインの思いが詰まっています。また、工事期間は数ヶ月にもわたるため、カラフルなギフトラッピングシートを見て、お客様だけでなく、現場で働く職人やスタッフもハッピーな気持ちになるように、との思いも込められています。
家ごとにカスタマイズでき、リユース可能なデザインに進化
カジャデザインの注文住宅はフルオーダーであるため、1棟1棟サイズも形も異なります。現場シートはプラスチック製で、毎回それぞれに合わせてデザインしていてはプラスチックごみを増やすことになりかねない。
そこで考案したのが、リユースできる1800㎜幅を規格としたデザインです。
1800㎜は一般的な現場シートの幅。それをつなぎ合わせて大きな面をつくる仕組みです。
せっかくのオリジナルシートなので、足りない部分は足したり、逆に余った部分はカットすることで、さまざまなサイズや形に合わせてカスタマイズでき、リユースできるデザインをつくり出しました。
この「家のラッピングシート」を初めて実施した2018年のデザインは、面全体でデザインしたものでした。新たな取り組みという新鮮さと華やかさで好評を得ましたが、その後のリユースの観点からは多少の制限がでてしまうということが分かりました。それ以降、シートの幅に合わせてカスタマイズできるデザインに進化し、現在にいたります。
デザインは、ヨーロッパやアメリカのクリエイティブシーンからインスピレーションを得たもの。カラフルな色をグラフィカルに組み合わせ、写真撮影の背景としても映えるスタリッシュなデザインです。
色は、その年のトレンドカラーを参考にしています。紙の印刷やパソコン上では色を正確に把握できないため、実際にメッシュシートに印刷していくつもカラーサンプルをつくって検討します。理想の色合いに近づけるため、同じ色調で濃度を変えたサンプルをつくるなど、色の表現にはとことんこだわっています。
お客様も職人たちもハッピーになれるギフトラッピングシート
高橋邸のラッピングシートは、角地であることを最大限に活かしたデザインとカラーの組み合わせ。中央はピンクの濃淡を上下に組み合わせ、両サイドにダークグリーンを配置。ピンクとダークグリーンのコントラストが互いの色を引き立てています。
色は2024年のヨーロッパのアウトドア空間やミラノサローネのインテリアの展示などから着想を得ており、３つの組み合わせのなかから高橋夫妻が選びました。
ギフトラッピングシートはお客様だけでなく、「現場が明るくなる」と職人たちにも好評。実際に足場シートを設置してくれる足場業者もこの取り組みに共感し、丁寧に張り上げてくれるなど協力的です。
ギフトラッピングシートはすべての現場で行なっているわけではなく、お客様や周辺の方々にも理解していただいたうえで、年に数棟のペースで実施。デザインは、2018年から第１弾から少しずつブラッシュアップさせています。
ギフトラッピングシートの取り組みは、完成をただ待つだけではなく、家づくりの過程一つひとつを大切にし、お客様に特別な体験を提供したいと考えるカジャデザインならでは。家という贈り物が完成するまでの過程もかけがえのない思い出となるでしょう。
文 / 植本 絵美 ( Editor / Writer )
