2024.7.18 「注文住宅」を知る

家を建てる際、一度は中庭に憧れを抱いたこともあるのではないでしょうか。インテリア性が高く、プライバシーも維持できるため多くの人気を得ています。
しかし中庭を作る際は注意が必要です。安易な気持ちで作ってしまうと、実際に住んだとき「想像していた感じと少し違う」と後悔をする可能性があります。

今回は、中庭のある家のメリットやデメリット、そして、作る前に知っておきたい中庭の知識をお伝えします。ぜひ最後までご覧ください。

中庭のある家とは?中庭のパターンも紹介

中庭とひと言でいっても、形状のパターンがいくつかあります。それぞれ使用感や特徴が異なるため、ライフスタイルに合わせた選択がおすすめです。今回は、主流となっている代表的な形状パターンを3つご紹介します。

パターン1:ロの字型

上から家を見た状態で、中央部分をくり抜いたように口の字になってできた中庭を「口の字型」といいます。周りの部屋に囲まれているので、外部からの目を気にすることはありません。解放的な気分を味わいつつ、完全なプライベート空間を再現できます。
デーブルや椅子を並べて読書を楽しんだり、ハンモックを設置してゆったりと過ごしたり、バーベキューなど家族でわいわいと楽しめるスペースにするのもよいでしょう。中庭の広さや設備によってはさまざまな使い方が可能です。

そして、中庭から各部屋へ日差しが入り込むため、家全体が明るい印象になります。日当たりがいいと洗濯物も乾きやすく、電気代の節約にもなります。ただし、中庭を丸々建物の中に入れないといけないため、充分な敷地スペースの確保が必要です。

パターン2:コの字型

「コの字型」の中庭は、庭を四方から取り囲むのではなく、一面だけ開放した状態です。周囲の視線を遮断できるという利点と、一部オープンになっていることから、プライバシーを保ちつつ、解放感のある借景を楽しめます。
そのため、平屋だけでなく2階建ての住宅にも適しています。たとえば、2階に小さな中庭スペースを作るだけでも、家の雰囲気はかなり変わるでしょう。家庭菜園で好きな野菜を育てたり、お気に入りの観葉植物を飾れば、眺めるだけで清々しい気分になります。

また、コの字型の中庭は、大きさや配置する場所によってインテリア的な要素から実用的な役割まで、幅広く活用できます。口の字型と比べて動線が長くなる一方、中庭から外まで直結できるのがポイントです。

パターン3:町屋型

「町屋」とは、古民家の一種で店舗施設と住居を一緒にした建物のことを指します。平安時代から徐々に発展し、京都などの一部地域で今もなお残っています。
町屋の種類はいくつかありますが、一般的に、狭い玄関口から奥行きが深くなる「うなぎ寝床」を最初にイメージするでしょう。「町屋型」は、いわゆるうなぎ寝床のような住宅に中庭を設置した状態です。

口の字型と少し似ていますが、敷地が細く狭いため、家の中を進んでいくと中庭が突然現れる、という感じです。渡り廊下を取りつけて動線を増やせば、奥の部屋へも移動しやすくなります。

中庭のある家のメリット

中庭を設置することによって、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。中庭の大きさや形状パターンによっても異なりますが、共通する利点がいくつかあります。以下にまとめましたので、参考にしてください。

開放的でスマートな暮らしが楽しめる

中庭を設置することによって、日常生活で常に自然とのつながりを感じられます。しかも、完全なプライベート空間なので、通常の住宅とは違って周囲の視線を気にする心配もありません。
そのため、起床後すぐに窓を開けて、外部の気配を感じることなく思いっきり深呼吸することもできます。芝生や遊具を設置すれば、子どもの遊び場となり、安全面に配慮しながら楽しめるでしょう。

風通しや日当たりのよい家になる

中庭に面している全ての部屋に日差しが届き、家の中全体が明るくなります。風通しもよくなるため、湿気対策や換気には最適です。夏場の暑い季節では、エアコンの使用回数も減るので電気代の節約にもなるでしょう。
また、植木やプランターを使用して、ガーデニングや家庭菜園のスペースとして活用することもできます。自分の趣味を活かして、四季折々の自然を楽しんでみてはいかがでしょうか。

セキュリティが強固になる

中庭を設置することにより、周囲の視線を遮断できるため防犯性が高くなります。盗撮などの心配も不要です。万が一中庭から侵入者が現れたとしても、かなり目立つので、不審者の姿は一目瞭然です。
また建物の構造上、外部から侵入するための窓が少なくなるので、家の中に入り込むこと自体が難しくなります。そのため、天気のいい日は、中庭で洗濯を干すこともできます。

ただし、外部の侵入が低くなるというだけで、0になるわけではありません。窓のセキュリティなど、防犯対策はしっかり行いましょう。

プライベート空間を楽しめるようになる

冒頭でお伝えしたとおり、中庭の形状パターンは「口の字型」「コの字型」「町屋型」そして「L字型」が主流となっています。それぞれ特徴は異なりますが、どのパターンの中庭もプライベート空間を維持でき、さまざまな目的で自由に楽しめます。
とくに口の字型は、部屋で四方から囲まれているため、非常にプライバシー性が高いといえるでしょう。外部の視線が気になるようであれば、口の字型の中庭がおすすめです。

ほかの形状パターンも、プライベート空間を保ちながら開放感を感じる構造になっています。ですから、通常の住宅に比べ、過ごしやすい環境です。

家族みんなが過ごしやすいスペースにできる

充分な広さがあれば、中庭を使って家族みんなでバーベキューをしたり、天気のいい日は外の空気を吸いながらランチをしたり、さまざまな目的で活用できます。外出のために、わざわざ予定を立てて準備する必要もありません。夏になれば、子どもの水遊びに大きな家庭用プールを置いてもよいでしょう。

もっとも、生活の敷地内で気軽にアウトドアを楽しめるのは大きなメリットです。ウッドデッキや芝生を設置して、家族団らんの空間をつくってみてはいかがでしょうか。

中庭のある家のデメリット

中庭のある家は、使い方次第で多くのメリットが得られるでしょう。しかし、当然ではありますが、中庭を作ったとこによって生じるデメリットも、頭の中にいれておかなければいけません。生活に大きな支障がないか、改め検討してみてください。

メンテナンスが必要

快適な中庭を維持するためには、定期的なメンテナンスが必要です。掃除や草むしり、植物への水やりといった日常的なお手入れから、季節や天候によって起こる被害への対応までしなければいけません。
たとえば夏は害虫駆除、秋は枯葉の除去、冬は防寒対策といった管理をします。さらに、台風など悪天候の際、中庭に置いてある植物や家具は室内に移動する必要があります。中庭の美しさを持続させるには、多少なりとも手間がかかるでしょう。

設備を整えるのが大変

中庭を設置する際は、設備をあらかじめ整えておく必要があります。とくに重要なのは、雨水対策の排水設備です。処理方法は、浸透式と排水式の2種類あります。
浸透式とは雨水を地面に吸い込ませる方法で、公共の下水道がない場合に使用されます。一方、排水式は雨水をパイプなどで集めて排水をする方法です。

どちらが適しているかは、地域や土地の状態によって異なります。排水溝の場合は、落ち葉が詰まらないようきちんと掃除をし、排水経路を確保しましょう。

外構工事が必要

外構工事とは、中庭部分を希望に沿ってデザインし、構築することです。芝生や砂利敷き、ウッドデッキの設置といった基礎工事から、素材選びまでをすべて行います。
素材はレンガやタイル、石張りなどの種類が複数あります。中庭は、利用時のことだけではなく管理のしやすさも考えて、住居の雰囲気にあったものを選択してください。

また、ライフスタイルやコンセプトによって工事の内容は大きく変化するので、完成イメージをしっかり固めておきましょう。

中庭のある家の間取りを決めるポイント

中庭のある家の間取りを決める際、中庭と家の構造を総括して考えることが重要です。とりあえず作ってみる、というのだけは避けてください。
中庭をどのように活用したいのか、どのようなコンセプトにしたいのか、目的をしっかり定めてから配置しましょう。一応、庭ではありますが敷地内に設置するため、居室スペースのひとつとして考えることがポイントです。

そして、どの形状パターンにも該当することですが、中庭のある家は普通の住居とは異なり、どうしても動線が長くなってしまいます。実際に生活をしたとき、部屋から部屋への移動が困難ではないか、具体的な日常生活を想像しましょう。
住宅は一生ものなので、暮らしやすさが最優先です。注文をする際は、コンセプトなどの希望も大事にしつつ、ライフスタイルに支障のない間取りを選択しましょう。

まとめ

いかがでしたか。中庭のある家にはさまざまなメリットがあり、形状パターンでそれぞれ特徴が異なることがわかりました。広さや設備によっても、活用方法は大きく変わります。
また、海外リゾートホテルのような住宅を再現できるカジャデザインでは、フルオーダーでの注文住宅が可能です。実際にリゾートホテルで使用している素材と同じものを使用し、さまざまなスタイルに対応できる技術を持ち合わせております。

ヒアリングにてお客様一人と向き合い、理想の暮らしやコンセプトの具体化を目指します。ご興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。