2024.11.6 「注文住宅」を知る

「まとめ買いした食料を保存できる」「たくさん収納できてキッチンをすっきりさせられる」など、近年パントリー人気が高まっています。パントリーにはメリットもデメリットもあるため、ライフスタイルや家づくりの条件と、しっかり照らし合わせてから取り入れることが大切です。

この記事では、パントリーの基礎知識から、特徴やメリット・デメリット、実際に設置する際の注意点などについて詳しく紹介します。

そもそもパントリーとは?

まずはパントリーとはどんな場所なのか、その特徴や役割について解説します。
パントリーとは、食材や食器、保存食などを収納するための小さな部屋、または壁面に備え付けた収納のことを指します。大型の調理家電やあまり使用頻度の高くない調理器具などを保管する場所としても便利です。

一般的なシステムキッチンにも、収納できる場所は備え付けられているものです。しかし、パントリーに比べれば圧倒的にスペースが限られており、日常的に使う調味料や調理器具くらいしか置いておけません。

共働きであったり家族が多い場合、食材などはまとめ買いしておきたいものです。また、どんな家庭でも、災害に備えて備蓄を整えておきたいと考えるでしょう。その場合、システムキッチンの収納だけでは足りない場合があります。

パントリーがあれば、備蓄品も保存食もすべてすっきりと収納ができます。狭いキッチンに無理やりあれこれ置いてしまい、なんとなくいつも家がごちゃついている気がする、という方にもおすすめです。

さらに、パントリーに冷蔵庫などを収めるスペースがあれば、よりキッチンがすっきりとした印象になります。

使いやすいパントリーの間取りアイデア4選

パントリーを使いやすくするためには、間取りが重要です。今から紹介する4つの間取りアイデアから、それぞれの家庭のライフスタイルに合った間取りを選んで、パントリーを十分に活用しましょう。

キッチンの横・背面のパントリー

もっともベーシックなパントリーの位置は、キッチンのすぐ隣、あるいは背面です。どちらもすぐに手が届く範囲のスペースとなるため、調理をしながら調味料や器具を手に取ったり、食材を出し入れしたりが非常にスムーズです。

少しスペースに余裕があるようなら、冷蔵庫や電子レンジなどの調理家電も配置できるので、キッチンをすっきりと広く使いたいという方におすすめです。

ウォークインタイプのパントリー

部屋の三方が壁に囲まれた、小部屋タイプのパントリーを「ウォークインタイプ」と呼びます。大きめにスペースを取れるようなら、このウォークインタイプが便利です。

なかを移動でき、収納力が格段に上がるので、水や米などかさばる食品もたくさん置いておけます。ホットプレートなど大きな調理家電もすぐに出せる位置に収納できます。

さらに、余裕があれば、カウンターや作業台を設置することもおすすめです。パントリー内でちょっとした作業ができるとより便利です。

ウォークスルータイプのパントリー

玄関とキッチンの間に配置し、玄関からパントリー、キッチンと動線をつなげられるパントリーが「ウォークスルータイプ」です。玄関側とキッチン側、出入り口が2か所あるため、出入りがしやすく、買ってきた物を帰宅してすぐ収納できるので効率的です。

回遊できるタイプの間取りになるため、家族もパントリーを通り抜ける機会が多く、みんなが収納場所を覚えられるところも便利です。また、パントリー自体を玄関から直接入れる土間に配置するとさらに便利です。

土間にパントリーを設置するなら、ごみの一次保管場所としても重宝するでしょう。家事動線を効率よく引きたい方におすすめの間取りです。

階段下のスペースを使ったパントリー

デッドスペースの有効活用として、階段下のスペースにパントリーをつくるのもおすすめしたいアイデアです。パントリーを設けるために、屋内のほかのスペースの広さを削らなくて済むところも魅力的です。

ただし、階段下のスペースは一般的に通気性がよくない場合が多いため、湿気対策も合わせて考えておきましょう。たとえば、防湿性の高い壁紙を使用する、扉に隙間をつくる、物を詰め込みすぎない、除湿剤を使うなどの対策がおすすめです。

パントリーを作るメリットは?

では、パントリーがあると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。メリットを理解しておくと、より快適なパントリーづくりがイメージしやすくなります。

キッチンがスッキリする

パントリーがあれば、キッチンの見える場所に置く物を減らすことができます。パントリーがないと、いつも使う調味料や調理器具に加え、使用頻度が少ないものやストックも一緒に置いておかなければなりません。どうしてもキッチンが雑然としてしまう原因になります。

キッチンをなるべくすっきりと見せたい、来客が多いという家庭なら、パントリーはかなり重宝することになるでしょう。

食品・日用品のストックができる

パントリーには、常温で保存できる食品や調理家電、日用品のストックをたくさん保管できます。スペースに余裕があるなら、非常食や飲料の備蓄もできるので、防災面からもメリットがあると言えます。

家族の人数が多ければ、それだけストックが必要です。安いときにまとめ買いして収納しておければ、節約にもなり、買い物の回数を減らすこともできるでしょう。

管理が楽になる

パントリーに食品や日用品のストックを整理しておけば、家庭のストックが一目瞭然となります。在庫や賞味期限などの管理効率が格段に上がるでしょう。買い物前にあちこちに散らばっているストックをチェックするという作業もなくなります。

また、ストックが1か所に集まっていれば、家族も物の場所を覚えやすく、家事分担も楽になるでしょう。

パントリーを作るデメリットは?

もちろんメリットだけではありません。デメリットも正しく理解し、どんなパントリーにすべきか検討しましょう。

ある程度の敷地面積が必要になる

大きなパントリーを作ろうとするなら、当然ですがその分、床の面積が必要になります。敷地面積に余裕がない場合、無理にパントリーを設置してしまうと、居住スペースに影響が及びます。

また、パントリーを設置するには、なかに設置する棚や必要に応じてコンセントなどの設置費用についても考えておかなければなりません。面積や費用があまり割けないという場合は、パントリーを設置するよりキッチン収納に工夫を凝らすほうがよいでしょう。

整理整頓の工夫が必要になる

パントリーを使いやすく活用するには、ある程度の整理整頓の工夫が必要です。入るだけどんどん荷物を入れてしまうと、物が出しにくくなったり、なかに何が置いてあるのかの把握が難しくなり、かえって効率が悪いことになってしまいます。

設置するなら、整理する方法やそのために使う収納グッズなどについても、あらかじめ考えて置くことをおすすめします。

パントリーを作る際の注意点は?

パントリーを作る際、使い勝手のよさを考え、事前にしっかりと計画を立てておくことが大切です。どのような点に注意してパントリーを作るべきか、ポイントを紹介します。

先に使い方を決める

事前にパントリーをどう使うのか、どれくらい物を入れたいのかをシミュレーションしておくことが大切です。入れる物に対して広すぎる、または狭すぎるなどの場合、効率のよい使い方ができなくなってしまいます。

そのような事態を回避するため、いつもの買い物の量や、ストックしたい食品の量などを想定しておくことをおすすめします。また、動線のシミュレーションなどもしておくとよいでしょう。

奥行きを深くしない

パントリーの奥行きが深すぎると、二重に物を置いてしまったり、奥深くに重たいものを追いやってしまったりと、出し入れに手間がかかる置き方になる恐れがあります。また、パッと一望できない作りだと、奥のものが見えなくて管理が行き届かなくなります。

このことから、パントリーの奥行きは30〜45cm程度にしておくことをおすすめします。食器や調味料を並べておくには奥行き30cm程度、少し大きめの調理家電などをしまうには、奥行き40cm程度が適しているとされています。

湿気や匂い対策をする

パントリーは密閉された空間になりやすく、熱や湿気がたまってしまうというケースが多いです。熱や湿気は食料品や紙物の大敵です。これを避けるため、換気しやすいような構造にしたり、窓や換気扇をつけることも考えておきましょう。

窓はつけられなくとも、湿度調整のしやすい壁材や壁紙を導入する、換気扇がわりの扇風機や除湿機を設置するなどの工夫もおすすめです。

まとめ

パントリーは、食料や食器、キッチン家電などの収納にとても便利なスペースです。自身のライフスタイルなども考慮し、必要な大きさ、必要な仕様を考えて導入するとよいでしょう。

カジャデザインで提供しているのは、ゼロから造る完全フルオーダーの注文住宅です。お客様の理想をお伺いし、そのイメージに寄り添い、ひとつ一つを紡ぎ、経験と知識で具現化しています。

お客様のライフスタイルにぴったりなパントリーづくりもご提案いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。