2023.11.13 「注文住宅」を知る

勾配天井の魅力ってなに?取り付ける照明の特徴も紹介

住宅の購入や新築を検討している方のなかには、勾配天井についてわからないという方がいるのではないでしょうか。勾配天井の建物を購入、または建築する場合は、魅力だけではなく注意点も理解しておきましょう。

そこで本記事では、勾配天井の魅力や注意点、勾配天井に取り付けられるシーリングファンの必要性などを紹介します。勾配天井に取り付けられる照明の種類も解説するので、照明探しの参考にしてください。

勾配天井の魅力

勾配天井とは、天井の形状が斜めになっている設計を指します。一般的な水平な天井とは異なり、勾配天井は、一部分が低くはじまり、徐々に高くなるか、あるいは一定の角度で傾斜していきます。

この形状は、建物内部のデザインや空間の効果を向上させるために使用されるケースが多いです。通常の平坦な天井よりもデザイン的に興味深く、創造的な雰囲気を醸し出せます。

音響効果の改善にもつながるため、住宅以外にも商業施設や劇場、教育機関など、さまざまな建物で用いられています。既存の設計図による建築というよりも、注文住宅として選択できる場合がほとんどです。

開放感が生まれる

勾配天井は高さが変化しているため、部屋に立体感を与えて、より広々とした感覚を実現できます。とくに天井が高くなる方向に目線を導くことで、空間全体がより広く感じられるでしょう。

建てられる建物の高さに限られている場合でも、勾配天井にすることで開放感を出せます。建築費用を抑えながら開放感を実現できるため、予算が限られている場合は、勾配天井を検討するとよいでしょう。

部屋を明るくできる

勾配天井を設けると、窓から入る自然光をより効果的に反射・拡散させられます。自然光が入るスペースをつくることで、部屋全体を明るく快適な環境をつくり出せます。

部屋全体を自然光で明るくすることにより夕方まで自然光で過ごすことができます。日中、家で過ごすことが多い方にはおすすめです。

通気性がよくなる

勾配天井にすると、暖かい空気は上に、冷たい空気は下へと流れるようにできます。高窓を設けることで、天井に集まった暖かい空気を外に出して、それと同時に新鮮な空気が入ってくるようにすることが可能です。

部屋全体の空気を自然と循環させたい場合には、勾配天井がおすすめです。ただし、家の中の設計やエリアの環境によって空気の流れ方が異なるため、勾配天井の建物を建てたい場合には窓の位置なども相談しておきましょう。

化粧梁を取り入れられる

梁は、本来内側に組み込まれており、見えない設計になっています。近年では、化粧梁といって、あえて隠さずに見せる設計が注目されています。

勾配天井にすることで、吹き抜け部分に化粧梁の設置が可能です。化粧梁を設置することで照明の数を増やしたり、間接照明を設置するといった演出をすることができます。

勾配天井の注意点

勾配天井にはさまざまなメリットがありますが、注意すべきこともいくつかあります。注意点を理解せずに勾配天井にすると、あとで後悔してしまう恐れがあるでしょう。

ここでは、勾配天井の注意点を2つ紹介します。注意点やデメリットを把握したうえで、勾配天井を用いるか判断するとよいでしょう。

メンテナンスに手間がかかる

勾配天井にすると、通常の建物よりも高くなるため、照明の取り付けや掃除などの手間がかかってしまいます。照明の電球を交換する際や高窓を拭き掃除する際など、メンテナンスに手間がかかるため理解しておきましょう。

勾配天井だと手が届かないため、業者に頼んでメンテナンスを依頼するケースが多いです。業者によっては、すぐに駆けつけてもらえない場合があるため、照明がつかないまま何日も過ごさなくてはいけないケースもあります。

メンテナンスの手間だけではなく、業者に依頼する費用もかかってしまいます。

勾配天井にする際には、メンテナンスにかかる費用にも着目しておきましょう。

建設コストがかかる

勾配天井にする場合、建物のサイズや形状によっては、建築コストが高くなる恐れがあります。天井を水平にする場合と勾配天井にする場合で、建築コストにどれほど影響してしまうのか、見積もりを取って比較することがポイントです。

また、建築コストだけではなく、工事の施工期間が伸びるケースもあります。施工期間を抑えたい方は、人件費が増えて全体的にコストが上がってしまう可能性があるため、その点も理解しておきましょう。

シーリングファンの必要性

シーリングファンとは、天井に取り付けられるファンを指します。電源を入れることでファンが回転し、部屋全体の空気を循環させる働きがあります。

夏場には冷房をサポートし、室内の空気を均一に冷やして快適な室温維持が可能です。冬場には暖房をサポートして、天井近くにたまった暖かい空気を下に押し下げ、室内全体を暖める効果が期待できます。

またシーリングファンは、さまざまなデザインやスタイルで提供されており、室内のインテリアに合わせて選択が可能です。多くのシーリングファンには照明機能が備わっているため、シーリングファンの取り付けのみで照明器具の取り付けを省けます。

シーリングファンは、住宅だけではなく、会社やレストラン、ホテルなどのさまざまな場所で広く利用されています。住宅向けの商品もあるため、勾配天井を検討している方はぜひシーリングファンの導入を考えてみてはいかがでしょうか。

勾配天井に取り付ける照明の特徴

勾配天井を導入する際、どのような照明を取り付けるのか決めておくとよいでしょう。照明の種類によって、照らせる範囲やデザインが異なります。

ここでは、勾配天井に取り付ける照明の種類や特徴を3つ紹介します。どのような照らし方がよいか、インテリアに合ったものはどれか、などのポイントに着目するとよいでしょう。

シーリングライト

シーリングライトは、天井に直接取り付けられる照明です。部屋全体を均一に照らす効果が期待でき、蛍光灯やLED、ハロゲンランプ、電球などのさまざまな光源を使用できます。

部屋全体を均一に照らせるので、部屋のどの部分にいても快適に生活できるでしょう。天井に直接取り付けることで、床や壁を占有せずに空間全体の有効活用が可能です。

またシーリングライトは、さまざまなデザインやスタイルで提供されており、インテリアに合わせて選べます。なかには、明るさの調節や色温度の変更など、照明効果をカスタマイズできる機能が備わっているものもあります。

ペンダントライト

ペンダントライトは、天井から吊り下げられる形状の照明です。独自のデザインやスタイルを持ち、インテリアのアクセントとしても機能します。

シンプルなものから装飾的なもの、モダンなものからアンティーク調のものまで、幅広いスタイルがあります。ペンダントライトは一点に光を集中させるため、ダイニングテーブルの上やキッチンの作業スペースなど、特定の場所を明るく照らしたい場合におすすめです。

ペンダントライトの高さを調整することで、室内の雰囲気や空間の高さを調整できます。天井から下げる長さや光の色温度などを調節することで、室内の演出やムードをカスタマイズすることが可能です。

ペンダントライトの下に広がる明るい光は、周囲の壁や天井にも反射し、部屋全体を均等に照らす効果が期待できます。シーリングライトと同じように、天井に取り付けられているため、床や壁を占有せずスペースの有効活用が可能です。

ダウンライト

ダウンライトは、天井や壁に埋め込む、または天井から下向きに取り付けられる照明です。名前のとおり光が下向きに放射されるため、特定のスペースを明るく照らしたい場合に適しています。

複数のダウンライトを配置すると、室内全体を均一に照らし快適な居住空間をつくり出せます。ダウンライトは汎用性が高く、どのような空間にも取り入れやすい点が特徴です。

まとめ

勾配天井には、開放感を実現する、部屋全体を明るくする、通気性をよくするなど、さまざまなメリットがあります。化粧梁を設けやすいため、デザイン性を高めたり、梁を出すことで温かみを実現したりすることが可能です。

ただし、勾配天井にすると天井が高くなるため、高窓やファンの掃除、照明の電球の交換などメンテナンスに手間がかかってしまいます。業者に依頼すると費用がかかるので、勾配天井にすることでかかるメンテナンス代も把握しておきましょう。

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