2018.8.3 世界を旅する建築会社
アメリカ合衆国

「水」「土」「風」「火」自然の要素を取り入れた、ニュートラルになれる空間

カジャデザイン代表 大熊 英樹

非日常の中にある、それぞれの日常

「 水 」 ・ 「 土 」 ・ 「 風 」 ・ 「 火 」 という自然のエレメントを視覚で聴覚でそして、全身で感じることのできるアマンギリの素晴らしさを1stよりも視野を広げてお伝えしたいと思います。1stでお伝えした、 「 背伸びしていない感じが心地いい 」 、その言葉の意味が少しでも伝わると嬉しいです。

アマンギリがこの地に建設された理由ですが、アマンリゾートの創設者エイドリアン・ゼッカ氏がこの土地を見たとき、現在プール中央に見えるこの岩を見てアマンギリをこの地に建設しようと決めたと聞きました。そんな感覚、実行力に頭が下がります!流石です!!!

このホテルの沢山あるエリアの中で自分が大好きなのは、やはりこのプールからの景色であり、このプールで過ごす時間でした。

このプールサイドで変わらぬ景色を眺めながら美味しい飲み物をいただき読書をし、いつの間にかうたた寝!!!!!そんな時間がこの上ない心癒される幸せな時間でした。アマンギリの予約が取りにくいと言われる理由の一つをこのプールサイドで体感させていただきました。

また、他のゲストの様子を見ていて思ったのですが、ジョギング帰りにこのプールサイドに直行してくる人もいれば、一日中パソコンをたたきながらのんびりしている人もいました。また、モデルが撮影したりもしていました。

本当に自由で、それでいてあまり他人に迷惑かけている感じでもないんです。
嫌な感じがしないんです。逆に微笑ましくも見ていられる?
そんな不思議な空気・雰囲気がこのプールサイドにはあるんです!

みんな肩の力が抜けているニュートラルな状態のゲストが多いからでしょうか?

青い空に冷えた飲み物は最高のコンビネーションです(笑)

じぶんが毎日寝ころんでいた定位置となったデイベッド!

荒々しくも感じられる岩山 「 土 」 の景色と透き通るような 「 水 」 、真っ青な空そして、吹き抜ける心地よい 「 風 」 は大自然を感じる最高のシチュエーションでした。
だからこそ毎日このプールを訪れデイベッドで多くの時間を過したのだと今振り返ってそう思います。

岩の反対側がレストランになっています。
張り出した軒が強い日差しを遮ってくれます。心地よい 「 風 」 を感じながらの毎日いただく朝食は最高です。

朝食はおもいおもいのスタイルで毎日プールサイドでいただきます。

英語でのオーダーがなかなか難しかったのですが、美味しい朝食をいただきました。

沢山あった笑える英語あるある?エピソードの一つ、じぶんの英語力の無さに落胆したのですが、 「 ベーコン 」 をオーダーしたら 「 ベーグル 」 がきたという???笑い話ではない本当の話です!!!

正直、心が折れそうになりました ( 笑笑 )

こんなことも、良い旅の思い出です。もう少し英語頑張ります・・・

ナイトプールの様子です。見た目は幻想的でとても良い雰囲気なのですが夜は気温が急激に下がるのでプールに入っているゲストはいませんでした。この景色を見ながらお酒を飲む!ナイトプールはそんな役割でしたね・・・

シンプルにデザインされたオープンキッチンのレストラン!

ほとんどのゲストがこのレストランでディナーをいただきます。
陽が沈み変わりゆく窓の外の景色を眺め薪ストーブの 「 火 」 を見ながら暖を取り食事をします。そんな贅沢な時間がこのレストランでは毎日当たりまえの様にもたらされます。

アマンギリがアマンリゾートの中でも人気が高く予約が取れにくい理由がここでも感じられました。このレストランで感じた時の流れは生涯忘れることがないのだと思います。

厨房はオープンキッチンでシェフたちが楽しそうに調理している様子を見ながら近い距離感でのディナータイムです。

レストランの天井のカラーと間接照明の色感バランスがお洒落でした。

予約が必要ですがオープンエアーで食事ができる開放感たっぷりのスペースがメサウイング(岩山側)にあります。今回は、お茶をしただけでしたが、宿泊したデザートウイング側とは違う荒々しいロケーションでテンションが上がりました。
のんびりするには最高の空間です。お薦めです!!!

SPAです。

位置的には、ホテルの一番奥の岩場の裾にスパ棟が設けられています。
実際には、スパのレセプションまでしか入れなかったのでご勘弁ください。
男子が立ち入る雰囲気でもなかったですし、毎日が満足な日々でマッサージの必要もなかったので借りてきた写真で申し訳ありません。

続いてホテルの外観です。
ホテルスタッフに 「 このホテルの外観を見るにはどうしたらいいの? 」 と質問したら、 「 馬に乗っていったらいいよ。 」 と言われました。

「 馬どこにもいないよね? 」 というと 「 明日なら大丈夫だよ。 」 と言われ、翌日、涼しい夕方から馬に乗りホテルの外観も含め243ヘクタールの敷地内を散歩することになりました。夕方になり、ホテル入り口を見ると馬が3頭とカカウボーイ風の人と女性のガイドさんらしき人がまっていました。

馬に乗って約2時間半の旅。

キャニオンポイントの高原?は見渡す限り砂漠です。多肉植物が自生し浸食されなかった岩山が所々に荒々しく残っています。そんな荒々しい大地を馬に乗って歩いているとウサギが草むらから飛び出してきます。かわいいなぁ~癒されるなぁ~とみていると、カウボーイが 「 大きいウサギは美味しくないよ?小さいのが美味しいんだ。 」

食べるんかい!!! 

「 本当に食べるの? 」 聞き直しましたが、答えは 「 Yes! 」。
驚きと悲しみが心をよぎり厳しい現実に直面した瞬間でした。

お恥ずかしながら記念撮影・・・

きっちりこの広大なアマンギリの敷地内を2時間半散歩しました。
こんなに長く馬に乗ったのは初めてでしたが少々日焼けしましたがとても心地の良い時間でした。大自然の中に身をおきこの景色を眺めながら馬に乗っていると、肩の力が抜けてとても気持ちがすっきりとクリアーに変化していくのを感じました。

気持ちが良すぎて、この馬の乗っている一番の目的をも忘れていました。
カウボーイが、あれがアマンギリだよと指をさしてくれた時に 「 あ~あ、そうだこのホテルの外観を見るのが目的だったんだ。」 と思い出す始末・・・

見えたのは宿泊していたデザートウイング側!滅茶苦茶ちっぽけに見えましたがこの大自然に溶け込むように建築されているアマンギリの佇まいは力強い主張もあり、反面、低層でバランスも丁寧に取れていて絶妙でコンフォータブルな存在感でした。

陽が落ちかけるとまた違った印象をくれます。

アマンギリ周辺の観光スポットをいくつか紹介します。

アンテロープ・キャニオンは砂岩を鉄砲水が長い年月をかけ浸食し曲線造形が美しい場所です。

ホースシューベントは250mの断崖下に馬の蹄鉄の様に川が流れインスタポイントになっていました。

どちらもアマンギリから車で20分ぐらいにある観光スポットなので、行ってみると大地や水の力強さそして歴史を肌で感じられると思います。

みなさん、アマンギリいかがでしたか???

雄大な景色と、シンプルにこの景色に溶け込むように建設されたアマンギリは、数多く宿泊したアマンリゾートホテルズの中でも上位に位置する住み心地でした。 ( 個人的な感想ですが・・ )

ホテル全体の造形はケリーヒルが設計したこともあり、シンメトリーでシンプルにデザインされていて、カジャデザインが理想とする 「 住宅=空気 」 に本当に近い空間構成でした。また、RC造の建築物がこのコロラド高原に何故だか?相性が良くとても馴染んでいたことは、設計者であるケリーヒルのマジックなのかもしれませんね!

個人的にも、こんな乾燥地帯の真ん中にあるリゾートホテルに宿泊したのは初めての経験でした。
海辺や湖のような 「 水 」 のやさしさを感じるリゾートや高原の森林からの 「 風 」 が心地よいリゾートとは全く違う乾燥地帯の 「 土 」 から感じる力強さや安心感に包まれながら暮らす、まさしく足を地につけた感覚のリゾートの空気感がアマンギリにはありました。
宿泊中はずっと晴天であまり風もなかったこともあり、空の雲は見たことがないくらいゆっくりと動きそれ以外の景色は全く動かず!!!まるで、時が止まったような景色を眺めです。
そんな空気に包まれて暮らして居ると、冒頭にこのホテルは 「 背伸びしていない感じが心地よい 」 と書きましたが、そんな自然体で居られるクリアーな心地よい暮らしの大切さを心の真ん中に感じました。

アマンギリで感じた「心地よさ」をカジャデザインの新たな空間づくりの「糧」にしていきたいと思っています。