スリランカが生んだ建築家「ジェフリーバワ」の建築に触れる
非日常的な空気に抱かれる穏やかな休息の地!!!~スリランカへの旅 2
セカンドでは、ジェフリーバワが設計し彼の代表的な作品でもあるホテル「ヘリタンス・カンダラマ」とバワの影響を受けつつ今やリゾートホテルの代名詞ともなったアマンリゾート。そのアマンが南部ランガッラに建設した「アマンウェラ」を比較しながら、旅の中盤の3日目~5日目の様子をご紹介します。
カジャデザインのお客様にスリランカの自然豊かな穏やかで心休まる空気感を伝えるための旅 2の始まりです。
本題に入る前に、スリランカバティックの工房の様子です。
デザイナー筒井の希望もあり、アテンドのリリさんのお知り合いの工房にお邪魔しました。
現在プラン提案中のお客様の住空間のアクセントに取り入れるためにバティックのチョイスをしてまいりました。
チョイス及び製作工程を見学している様子です。
続いては、スリランカが生んだ建築家Geoffrey Bawa設計の「Heritance Kandalama」です。
バワには珍しく、内陸に建築されたこのホテルは岩盤の上のジャングルに埋もれるようにデザインされていて、自然を取り込み自然との一体感を丁寧に形創っている。
東西に約一キロの長さがあり散歩していると生い茂った濃い緑の植栽から岩盤の迫力ある岩肌まで見ることができ、眼下にはカンダラマ湖が広がり幻想的な景色に心癒されます。
ホテル外観です。
背面のタイル???が印象的なレセプションです。個人的にタイプなデザインでした(笑)
レセプションを右手に見ながら左奥のホールへと案内されました。
左手には、岩肌がリアルに残った存在感ある岩盤ウォールが続きます。
またこのアプローチを吹き抜ける風はとても心地よくリゾートに抱かれている様な優しい空気を肌で感じました。
アプローチを抜けるとカンダラマ湖がインフィニティープール越しに見えてきます。
素晴らしい景色を見ながら、冷たい飲み物をいただきチェックインの手続きをしました。
ここにいないスタッフは、写真を撮りまくっていました(笑)
大自然が広がり森には猿が!!!遠くカンダマラ湖の浅瀬にはゾウがいました!!!
チェックインを終え各部屋へ
ラッキーなことに部屋をダブルアップグレードしていただきスイートに宿泊することができました。感謝感謝です。
コーナーに位置する広めのゲストルームです。
部屋でゆっくり夕暮れまで体を休めいよいよディナーです。
楽しみにしていた、岩盤のオーバーハング(岩壁)下でのディナー!!!
多くのゲストが宿泊するこのホテルで唯一1組だけが許される至福の時の始まりです。
日中はこんな感じですが???
夜になると・・・・
満天の星空の下、キャンドルでフルコースのディナーをいただきました。
言うまでもなく美味しかったし幸せな「時」でした。
翌日も快晴でした。
インフィニティプールからの景色です。プール水面とカンダラマ湖と空がブルー一色で重なり自然の美しさを取り込むデザインを20年以上も前から想像し形にしていることに尊敬すら覚えました。
バワは、この椅子に座ってこの景色を愛おしいと思ったに違いありません。
ここからは、建築という立場ではなく一般的な宿泊者、旅人としての感想です。
20年以上も前からエコフレンドリーな建造物をこのスリランカのジャングルの中に創ろうと想像し形にしたことは、神の様に尊敬できます。
しかし、旅人としてのこのホテルの満足度は真反対でした。
ホテルという宿泊の「場」は、宿泊するゲストのくつろぎの「時」のためだと考えています。
このホテルヘリタンスで、日頃のストレス社会から解放され非日常的な自然に囲まれながら快適に「時」を過ごすためにゲストは足しげく訪れるのだと思います。
しかし、このホテルの現実はそうではありませんでした。少し残念でした・・・
下の写真は宿泊した部屋のバスルームの写真です。
白くくもっていますが、窓ガラスに虫がつぶれたままべったりとびっくりするぐらい多く付着しているので白くくもって見えるのです。
せっかくのバスタイム!!!
このお風呂からの景色は絶景ですが、虫がへばりついたガラス越しでは嬉しくもありませんでした。
また、ジャグジーも壊れている?排水も壊れている?
連絡しても、サービススタッフがいないので直りませんと???
あまり多くは言いませんが、インフィニティプールに行くまでのアプローチは土のままで靴が泥んこになりました。
部屋のスタンドやスイッチも壊れたままで、もう少しメンテナンスしようよ・・と言いたくなりました。
もしかしたら自分の部屋だけだったかもしれないので・・このぐらいにしておきます。
これだけ立派な建造物(ホテル)です。ゲストも期待しますよね。頑張ってください。
このホテルとお別れです。
次に紹介するのが「AMANWELLA」です。
ジェフリーバワの影響を多く受けたと言われているアマンリゾートホテルズ!
自然を大切に自然を丁寧に取り入れバカンス好きの大人が十分満足できる、そんな空気を感じさせてくれる寛ぎ空間がアマンリゾートには多くあります。
また、建築的な観点から見ると、地元の素材を取り入れ「地産地消」の理念のもとに地元と関わりながら個性的な空間を創り上げていることも評価されているのだと思います。
この「アマンウェラ」は、スリランカ最南端の街ダンガッラのインド洋を望む美しい入り江を取り込むように建設されたいます。
スリランカ互の大屋根が印象的なホテルアマンウェラのフロント! 結構好きです!!!
スタッフが笑顔で迎えてくれました。肌触りの良い冷たいおしぼりとウエルカムドリンク。
やはりアマンは違うな!!! そう感じたのは自分だけではなかったはずです。
そのまま各自のヴィラにトゥクトゥクに乗って案内されました。
全室スイートで、じぶんはオーシャンプールスイートに宿泊しました。
入口を降りていくと小さいですがプライベートプール!嬉しいですね。
プールサイドにはデイベッド。この後冷たい飲み物やフルーツが運ばれてきました。またまた嬉しい!
ワンベッドのゲストルームです。
右手が入り口で左手には美しいインド洋の海が広がる最高のロケーションになっています。
波の音がとても心地良く、冷たい飲み物をいただきながらうとうとしてしまいました。
オープンな洗面&バスルームです。
デザインに溺れることなく、使い勝手もとても良く考えられていました。
照明計画もしっかりされていて、住空間として置き換え想像できるような空間でした。
同行した、建築家の八巻先生。デザイナーの筒井とこの心地よさしっかり共有しました。
外のテラスと目の前の美しいビーチの様子です。
レセプション・レストラン・バー・ライブラリー等の共有部分です。
中庭の芝がとても涼しげで癒されました。
レストラン下のプールスペース!気持ちの良い風が吹き抜けます。
プールセンターがインフィニティにデザインされたいてインド洋に流れ落ちるか?
と、錯覚してしまいそうな光景でした。
そして、プールサイドで寛ぐスタッフや八巻先生やフォトグラファーのヤンスくん!
みんな各々の立場で思い思いの感じ方でこの「空気」を感じたのだと思います。
そして、こんな「空気」が自宅で感じられたらどんなに素晴らしいだろうという感覚を巡らせたのだと思います。
こんな「空気」がリゾート地には溢れています。だからカジャデザインは世界を旅するのです。
そして、どうしたらカジャデザインが理想とする住空間に落とし込めるのか?
そして、「家」という形あるものとして具現化できるのか?お客様にお届けできるのか?
お客様お一人お一人から、最高の笑顔をいただくために世界を旅しています!!!
このホテルは、ケリー・ヒルが設計した比較的モダンでスタイリッシュなホテル。このホテル以外にもケリー・ヒルは、アマン東京をはじめとして多くのアマンにかかわっています。
彼の設計もバワ同様に規則的な直線ラインを利用して周囲の環境(自然)を丁寧に取り込んだ設計しています。(飽くまでも個人的な印象です・・・)
とても分かり易く、心地の良い空間は、そんな直線ラインを大切にしているからこそすっきりと具現化されているのかもしれません。
正直、アマンの中では感動の少なかったというのが正直な感想ですが、シンプルなラインに合わせたスケール感や色感はとても住空間に取入れていきたいそんなポイントが沢山ありました。
帰国後にすべてを共有しましたが、その一つが天井高でした。
2つ上の写真だと直線の綺麗な開放感あるアプローチにすぎませんが、1つ上の写真を見ていただけると分かる通り、スタッフの背丈の倍以上ある天井高は開放感を倍増してくれています。贅沢なデザインですが、この天井高が1.0m低かったら、このアプローチは平凡でしかなかったでしょう。
勿論、抜けている感じは大切ですが東京ではなかなか実現することが難しいデザインです(涙)
なので高さの贅沢をデザインにどう取り込み叶えて行くのか?これからの課題が見つかった様な気がしました。
○○○ハウスが、CMでこの天井高が違う家をしきりにクローズアップしていますが、あのスケールではカジャデザインが理想とする「住宅=空気」は具現化できません。
この「アマンウェラ」で、また一つ理想的なカジャデザインのリゾート空間の「寸」を目で見て心で感じることができました。大きな収穫でした!!!
そして、カジャデザインは次の街、次のホテルへと移動していきます。
2ndでは、ジェフリーバワ設計の「ヘリタンスカンダラマ」とケリーヒル設計の「アマンウェラ」を中心にスリランカの空気感をご紹介しましたがいかがでしたか?
自分でいうのもなんですが、珍しく一部否定的な意見も交えながらご紹介しましたがそれだけ、この2件のホテル空間に個人的に高い期待をしていた裏返しであるとご理解ください。
ホテル建築的な面白さやスケール感は圧倒的に「ヘリタンスカンダラマ」でした。
しかし、ホテルでのサービスやスタッフのホスピタリティーそして、ホテルでの暮らし心地はどれをとっても「アマンウェラ」が上でした。
「家」という形あるもの、「住宅=空気」をデザインしている者として客観的にどちらホテルを「目標」にすべきかというと、やはり「アマンウェラ」に違いありません。
海と山の違いはあるにせよ、非日常をリゾートで寛ぐことでより濃く感じられる上質な空気感は圧倒的に「アマンウェラ」に多くありました。(個人的な感覚ですが・・・)
自然と一体となったリゾート空間で「休む心」をデザインできているアマンリゾートのスタイリングをこのスリランカの地で感じ取り同行スタッフと共有できたことに感謝します。