2023.8.3 「注文住宅」を知る

炎のある暮らしを楽しめるバイオエタノール暖炉の魅力と選び方

近年、バイオエタノール暖炉が暖房器具として注目されていますが、魅力や選び方についてよく分からないという人も多いかと思います。また、バイオエタノール暖炉は火を取り扱うため、安全性について不安になる人もいるでしょう。

今回は、バイオエタノール暖炉の購入を検討している人向けに、バイオエタノール暖炉の魅力や選び方、よくある疑問点に対する回答などをご紹介します。購入前に、この記事をぜひご覧ください。

バイオエタノール暖炉の種類

バイオエタノール暖炉には、置き型と埋め込み型の2種類があります。まず、置き型は文字どおり部屋へそのまま置くタイプなので、工事が不要です。また、室内用と室外用どちらも販売されているので、置きたい場所によって好みのものを選べます。

一方、埋め込み型は、設計から自由に構築できるタイプです。新築やリフォームを行う際、この埋め込み型を検討する場合が多いです。

設置場所やデザインなどを自分好みにカスタマイズできるため、空間にこだわる方も満足の仕上がりとなるでしょう。ただし安全面を考慮し、業者の人と施工図面をもとにした、事前の打ち合わせを必ず行ってください。

バイオエタノール暖炉の魅力

バイオエタノール暖炉には、さまざまな魅力があります。今回は、代表的な魅力を6点ご紹介します。判断基準の一部として、ぜひご活用ください。

ローコストで炎のある暮らしを楽しめる

バイオエタノール暖炉は、比較的ローコストで気軽に炎のある暮らしを楽しめます。たとえば、薪ストーブを設置するためには煙突が必要ですが、その設置費用はやはり高額なものとなります。

しかし、バイオエタノール暖炉の場合は煙突の設置自体が不要になるため、気軽に生活へ取り入れられます。戸建てやマンションなど、住居の種類を問わないところも魅力です。

環境や身体を害さない素材で作られている

バイオエタノール暖炉は、その名のとおり「バイオエタノール」を燃料にしています。バイオエタノールとは、サトウキビやトウモロコシなどの二酸化炭素を吸収する植物から作られているエタノールのことで、環境に優しい再生可能エネルギーともいわれています。

また、バイオエタノールは身体に対する毒性の心配が低いです。なぜなら、バイオエタノールはアルコールと成分が、ほぼ同じものであるためです。誤って燃料をこぼしてしまっても、身体への害はありません。

オリジナルのデザインにできる

デザインに関しては、置き型と埋め込み型で少し差があります。

置き型については、本体自体はほとんど既製品として取り扱われています。ただし、配置場所を自由に選択できるため、ほかのインテリアと組み合わせながら、部屋を好みの空間へと演出できるでしょう。

一方、埋め込み型は、事前に取り付ける場所を考えることによって、バイオエタノール暖炉を取り入れたオリジナルデザインの空間設計が行えます。

リノベーションで後付けできる

埋め込み型のバイオエタノール暖炉であれば、リノベーション時にも後付けとして取り入れられます。

既存のインテリアに合わせた設計から行えるため、自然に部屋の雰囲気に溶け込むようなバイオエタノール暖炉を導入できるでしょう。

バイオエタノール暖炉自体がスタイリッシュなデザインであるため、取り入れる前と取り入れたあとでは、部屋の雰囲気は大きく変わり、よりデザイン性の高い部屋が期待できます。

掃除やメンテナンスが簡単にできる

薪ストーブに比べ、バイオエタノール暖炉は掃除やメンテナンスが簡単です。その大きな理由のひとつは、やはり煙突の存在です。

薪ストーブは煙突も含めた掃除やメンテナンスを行う必要があります。そのなかでも、とくにススの掃除にはとても手間がかかります。

しかしバイオエタノール暖炉の場合は、煙突自体が不要なため、まず掃除やメンテナンスの規模が少なくて済みます。一般的には、雑巾や水洗いで対応可能です。

バイオエタノール暖炉に関する疑問

バイオエタノール暖炉を購入する前に、いくつか疑問点が出てくることもあるのではないでしょうか。

今回は、よくある質問を3点ピックアップしました。下記の内容をよく把握したうえで、バイオエタノール暖炉を使いましょう。

火事にならないのか

正しく使用していれば、過度に火事を恐れる必要はありません。わかりやすくいうと、バイオエタノール暖炉は家にガスコンロを置いている感覚で取り扱うとよいでしょう。

バイオエタノール暖炉の周辺に燃えやすいものを置かない、子どもやペットを近づけないなどの点に注意が必要です。また、購入時には、一定の安全性を保証している「UL認証」を受けた製品を選ぶのもおすすめです。

燃料は高いのか

バイオエタノール暖炉の燃料費は、比較的高額です。その理由として、今回は2時間あたりの費用をストーブやヒーターと比較してみました。

  • 薪ストーブ:500~800円
  • バイオエタノール暖炉:220~400円
  • エアコン、セラミックファンヒーター:60円前後

バイオエタノール暖炉は暖房器具としてではなく、観賞用として取り入れることをお勧めします。

換気はどのくらい必要か

バイオエタノール暖炉の使用中は、1時間~2時間に一度は換気を行いましょう。換気を行わずに使用を続けると、部屋の中に二酸化炭素が溜まっていってしまいます。

そのため、バイオエタノール暖炉内の火を燃やすためには、酸素を定期的に取り込む必要があります。新鮮な空気を取り入れながら、バイオエタノール暖炉を使うようにしましょう。

バイオエタノール暖炉の選び方

バイオエタノール暖炉にはさまざまな種類があります。どういう基準で選ぶとよいのか、今回は主な基準を4点ご紹介します。

4点の基準をもとに、最後は総合的に判断し、バイオエタノール暖炉を選定しましょう。

大きさや形

大きさや形については、以下のポイントに気をつけて選びましょう。

  • 配置したい場所に収まりそうか
  • 周辺のインテリアとの相性
  • 理想的な炎が出るか

バイオエタノール暖炉は、デザイン性に優れているものが多いので、置くだけでおしゃれになります。実際にバイオエタノール暖炉を使用している場面を想像すると、選びやすいでしょう。

機能や用途

機能や用途面で抑えるべきポイントは、以下のとおりです。

  • 置き型か埋め込み型
  • 室内用か室内室外兼用可能か
  • 燃焼時間の長さ

バイオエタノール暖炉によって、配置可能な場所はさまざまです。たとえば、床や卓上、壁に取り付けるタイプなどもあります。

室外に対応しているバイオエタノール暖炉を希望する場合は、風などの気候も想定したうえで選定しましょう。一般的にバイオエタノール暖炉は、風への耐久性があまり強くないため、炎を耐熱ガラスで囲っているタイプのものがおすすめです。

メーカー

メーカーを選ぶ際は主に安全性を重視し、正規代理店で購入しましょう。ネット上では安価なものがたくさん販売されていますが、その場合、安全保障が十分でないケースが多いです。どういった点を確認して選ぶとよいのか、詳細は以下のとおりです。

  • 故障した際や何かトラブルがあった場合の相談窓口があるか
  • 一定の安全規格を満たしているか
  • 導入実績が豊富であるか

安全規格を満たしているかの主な指標として「SITAC規格」や「ISO9001:2000」などを受けているかを確認しましょう。

まとめ

今回は、バイオエタノール暖炉の魅力や選び方について説明しました。バイオエタノール暖炉は、場所を選ばず炎を楽しめ、環境や身体にも配慮した優れものです。

置くだけで部屋をおしゃれに見せてくれるでしょう。

また、バイオエタノール暖炉は、既製品からカスタマイズできるものまで、自分の好みに合わせて選べます。実際に使っている場面と理想のデザインや安全性、必要な機能などを照らし合わせながら選定しましょう。

購入後は正しい使い方を習得し、安全面へ配慮しながら、快適な炎のある生活を楽しみましょう。