リビングダイニングのレイアウトを行う際の事前準備とコツ
リビングダイニングは、居間であるリビングと、食事をとる場所であるダイニングが一緒になった空間です。家族が集まってコミュニケーションをとるスペースや、来客をもてなすスペースになるなど、さまざまな用途で使うことができます。
今回は、リビングダイニングのレイアウトに悩んでいる方に向けて、レイアウトをスムーズに行うためにしておきたい事前準備や、快適に過ごすためのレイアウトのコツをご紹介します。
リビングとダイニングの違い
リビングやダイニング、キッチンをひとつの部屋にまとめた間取りも多くありますが、それぞれ持つ役割や目的には違いがあります。詳しく見ていきましょう。
リビング(L)とは
リビング(L)とはリビングルームの略で、居間のことを指します。テレビやソファ、ローテーブルなどが置かれた部屋をイメージするとわかりやすいでしょう。
リビングの使い方は住む人によってさまざまです。ファミリー世帯なら家族が集まる場所として使われるのが一般的で、家族団らんやそれぞれがくつろぐスペースとして活用されています。
来客をもてなす場所としてリビングが使われることもあり、リビングで過ごす目的は多様です。ライフスタイルによっては、リビングにワークスペースやキッズスペースが設けられていることもあります。
ダイニング(D)とは
ダイニング(D)とはダイニングルームの略で、主に食事をするスペースです。ダイニングテーブルセットを置いて食事をとれるようにするのが一般的です。
日本において、ダイニングだけを独立した部屋として設けるケースは珍しいといえます。リビングと一体になったリビングダイニング(LD)や、キッチンとつながったダイニングキッチン(DK)、3つをまとめたリビングダイニングキッチン(LDK)といった間取りになっていることが多いです。
リビングダイニング(LD)とは
リビングダイニング(LD)とは、くつろぐスペースと食事をするスペースが明確にわかれておらず、リビングとダイニングの機能を兼ね備えた部屋のことです。広さにもよりますが、一般的にはひとつの部屋に食事をするダイニングテーブルと、くつろぐためのソファやテレビ、リビングテーブルを置きます。
ライフスタイルによっては家族の食事の時間帯が異なることもあります。LDであればそれぞれの食事の時間がずれていても、食事をとる人と食後にくつろいでいる人が同じ部屋にいる状況になることもあるため、スムーズなコミュニケーションに役立ちます。
LDにはキッチンが含まれておらず、調理する空間は独立させて設けることが必要です。LDにキッチンまで加えると、LDKとなります。
キッチン(K)とは
台所や調理場のことで、シンクやコンロ、冷蔵庫、調理家電などが設置されているスペースを指します。独立型キッチンであれば調理に集中しやすく、調理中のにおいや音がほかの部屋に漏れにくくなります。
キッチンを独立させずに、ダイニングやリビングと一体化させたDKやLDKの間取りも多くあります。その場合はダイニングの一部にキッチンを壁付けしたり、カウンターでLDと区切ったりするのが一般的です。DKやLDKであれば、調理中も家族や友人とコミュニケーションがとれるうえ、できあがった料理を食卓に運びやすいなどのメリットがあります。
リビングダイニングのレイアウトを行う際の事前準備
レイアウトを考える際は、以下の3つを事前準備として行いましょう。
リビングダイニングのサイズを測る
まずはリビングダイニングのサイズを把握する必要があります。建築図面を持っている場合は図面上でサイズを測ることも可能ですが、念のため現地に行ってサイズを確認するのがおすすめです。
部屋全体の幅や奥行き、天井高、飛び出ている梁や柱のサイズ、窓の位置や床からの高さ、扉の位置、窓や扉のサイズなどを測っておきます。梁や柱を測っておくことで、背の高い家具が梁に引っかかったり、柱の出っ張りが原因で家具が置けなかったりといったトラブルを防げます。
採寸の際には写真を撮っておくと、窓や扉の位置や、部屋のイメージを後から思い出したいときに役立ちます。部屋の入口や通路、集合住宅であればエレベーターや階段の広さなども測っておき、家具や家電が搬入できるか確認しておくとスムーズです。
家具・家電のサイズを測る
現在使用している家具や家電を使い続けるなら、あらかじめサイズを測っておきます。横幅や奥行き、高さを採寸して、リビングダイニングのどの位置に置くかを決めましょう。
家具や家電を新しく買い替えるなら、カタログやHP、店頭のプライスカードなどでもサイズの確認が可能です。幅はW、高さはH、奥行きはDで示されることもあります。
たとえばダイニングテーブルの場合、テーブルの大きさだけを測っておけばよいわけではありません。椅子のサイズも考慮し、椅子を引いて座れるスペースも確保する必要があります。扉や引き出しを開ける、椅子を動かすなどの実際に使用する場面を想定しながら、家具や家電の採寸をしましょう。
コンセントの位置を確認する
家具や家電の配置を決める際、コンセントの位置も大切な要素のひとつです。とくにテレビの周りは、DVDプレーヤーやハードディスクレコーダーなどの家電が集まりやすくなります。
部屋中に延長コードを引っ張ると、見た目がすっきりしないうえ、つまずくおそれもあるため、コンセントの位置はよく確認しましょう。
ネット回線や電話回線の引き込み口、テレビ線の位置、照明のコンセントの位置も要チェックです。広いリビングダイニングでは、照明のコンセントがいくつか設けられていることもあります。
リビングダイニングのレイアウトを行う際のコツ
レイアウトを決める際は、どのような点に注目するとよいのでしょうか。レイアウトを決めるときのコツを3つご紹介します。
ライフスタイルを軸に配置する
それぞれの家庭のライフスタイルに合ったレイアウトにすることで、日々の暮らしがスムーズになります。家族構成や家族の年齢、仕事環境などに合わせて、快適に過ごせるレイアウトを考えましょう。
たとえば小さい子どもがいる場合、リビングダイニングの一角に子どもが遊べるキッズスペースを設けておくと、食事や家事などをしながら子どもを見守れます。子どものお世話セットやおもちゃを収納する家具も配置しておくと、すっきりと片付けられるでしょう。
自室で勉強をするスタイルもありますが、最近はリビング学習をする家庭もあります。勉強するための机や椅子を置く場所を設けておくと、食事やくつろぎのスペースと分けられて集中しやすい環境をつくれます。家族が使えるワークスペースなら、リモートワークのときにも活用できて便利です。
コンセントの位置を軸に配置する
使う家電の近くにコンセントがないと、タコ足配線や延長コードを使用したり、頻繁にプラグを差し替えたりする必要が出てきます。リビングダイニングでコンセントを必要とするものを洗い出し、電源を確保する場所をベースにレイアウトを決めるのもひとつの方法です。
常にコンセントにつないだままにしておく必要があるものを優先的に決めるとよいでしょう。たまに使うものや、使う場所が限定されないようなものであれば、場所を変えるなどして柔軟に対応もできます。
リビングで過ごす目的を軸に配置する
リビングの用途は家庭や個人によって変わってきます。リビングで何をしたいか、どのように過ごしたいかをベースにレイアウトを決めるのもよいでしょう。
テレビや映画鑑賞をしてゆっくりくつろぎたいなら、テレビを見やすい位置にソファを置き、近くに飲み物やおつまみなどを置けるローテーブルがあると便利に使えます。
リビングからウッドデッキや庭につながっている場合や、高層マンションで窓からの景色を眺めながら過ごしたい場合などは、窓側に向けてソファや椅子を配置するレイアウトにしてみてもよいでしょう。
リビングとダイニングのメリハリをつけたいなら、ダイニングテーブルに背を向けた状態でソファを置くか、間に棚などを置くなどすると空間を分けられます。
まとめ
リビングは、主に家族団らんやくつろぎ空間として使われる場所です。ただし用途は決まっておらず、勉強や仕事、趣味を楽しむ部屋にするなど、使い方は人それぞれです。
ダイニングは食事をする場所ですが、日本の住宅ではダイニングだけが独立していることは珍しく、リビングやキッチンと一緒になっていることが多いといえます。
リビングダイニングのレイアウトを行う場合、まずは部屋の採寸を行います。置きたい家具のサイズも測り、どこに置くときれいに収まるのかを検討しましょう。コンセントの位置も要チェックです。
快適に過ごせるリビングダイニングにするためには、ライフスタイルやリビングの用途に合わせたレイアウトや、コンセントの位置を考慮したレイアウトにするのがおすすめです。