2024.5.22 「注文住宅」を知る

玄関の上がり框(かまち)はあった方がよい?役割やおすすめできる人を解説!

注文住宅を建てる際に、上がり框は必要なのか悩んでいる人もいるでしょう。

上がり框には、外からのゴミやほこりの侵入を防ぐ役割があります。しかし、段差があることでお年寄りや小さな子どもが使いにくくなってしまうのも事実です。

この記事では、上がり框について、設置をおすすめする人・しない人について解説をします。上がり框の有無に悩んでいる人は、ぜひこの記事を参考に、利便性のよい玄関を手に入れてください。

玄関の上がり框を解説

上がり框とは、土間とフローリングの境界線部分のことです。しかし、その役割や種類について知らない人も多いのではないでしょうか。

ここでは、以下の4つの点に分けて解説します。

  • 役割
  • 高さ
  • 素材
  • 種類

上がり框の役割は?

上がり框には、以下の4つの役割があります。

  • 床材の断面を保護する
  • 玄関の印象を整える
  • ほこりや土が室内に入らないようにする
  • 家の外と中を区別する

上がり框は、来客との重要なコミュニケーションの場でした。しかし、昨今では、近所との交流も減ったことから、このような役割は減少しています。

現在では、ほこりや土の侵入を防ぐ役割や見栄えを重視する場合がほとんどです。また、帰宅した際に、上がり框で靴を脱ぐことで安心感を覚える人もいるでしょう。

上がり框の高さは?

高さは、戸建ての場合18cm以下、集合住宅の場合11cm以下 がよいとされています。

これは、国土交通省が発表している高齢者の安全な住まいに関する方針に、段差の高さは18cm以下を推奨と定められているからです。とくに、お年寄りや小さな子どもがいる場合は、段差が高いと使いにくくなってしまうでしょう。

戸建てと集合住宅で推奨される高さが異なるのは、床下の作りの違いによるものです。基本的に、戸建てでは、基礎や土台、などを組み合わせるため、床まで45〜65cm程度高さが出てしまいます。そのため、15〜20cm程度の高さが必要です。

上がり框の素材は?

一般的に、上がり框の素材は、フローリングや土間に合わせると調和が取れる傾向にあります。主に使用される素材は、以下のとおりです。

  • タイル
  • 木材
  • 石材

玄関ホールのフローリングに合わせた色味の木材が使用されるケースが多くあります。

デザイン性にこだわりたい人には、タイルや石材もおすすめです。とくに、御影石や大理石などを用いれば、高級感のある仕上がりになります。

上がり框の種類は?

基本的に、上がり框は、ストレートに作られる傾向にあります。しかし、広さや動線によっては、以下の種類を選ぶことも可能です。

  • 曲線タイプ
  • 斜めタイプ
  • 変形タイプ
  • L字型タイプ

上がり框の設置がおすすめな人

コミュニケーションの場として使われる機会は減りましたが、以下に該当する人には、設置をおすすめします。

  • 綺麗な玄関を保ちたい人
  • 室内と野外をはっきり分けたい人
  • 段差を椅子代わりにしたい人
  • 玄関をオシャレにしたい人

綺麗な玄関を保ちたい人

上がり框を設置して、段差を作ることで室内にホコリやゴミの侵入を防ぐことが可能です。段差がない場合、外からの汚れが室内に入ってきてしまいます。

毎日掃除をすれば清潔は保てますが、負担は少なくありません。上がり框があれば、土間とフローリング部分を明確に線引きできるため、掃除に取り組みやすいでしょう。

室内と野外をはっきり分けたい人

上がり框を設置することで、室内と野外の境目を作れます。段差のない玄関にしたい人は、土間とフローリングの素材を分けて境目をわかりやすくする工夫も必要です。

また、上がり框で靴を脱ぐことが、気持ちの切り替えになる場合もあります。とくに、現在の生活のなかで、靴を脱ぐとリラックスする人や上がり框を超えることで家に帰ってきた安心感を覚える人には設置がおすすめです。

段差を椅子代わりにしたい人

段差のない玄関は、靴の着脱や立ち上がりがしにくい傾向にあります。段差を椅子代わりに使用することで、お年寄りや小さな子どもは靴の脱ぎ履きがしやすくなる場合がほとんどです。

外出時の動作をストレスなくスムーズに行うためには、適度な段差が欠かせません。ただし、段差が高すぎる場合は、使いにくくなってしまうため、注意しましょう。

玄関をオシャレにしたい人

上がり框は、来客が最初に目にする家の顔です。デザインや素材を工夫することでオシャレな玄関に仕上げられます。

たとえば、立体感や奥行きを出したい人は、高さや素材にこだわるのもおすすめです。毎日使用する場所だからこそ、自分らしさのあるオシャレな仕様にしてみてください。

上がり框を設置しない方がよい人

上がり框はすべての住宅に必要なわけではありません。以下に当てはまる人は、上がり框の設置を避けた方がよいでしょう。

  • バリアフリーを意識したい人
  • 玄関を広く見せたい人
  • お掃除ロボットを活用したい人

バリアフリーを意識したい人

上がり框があると、段差ができてしまうため、フラットな空間を作りたい人には不向きといえます。

とくに、介護が必要なお年寄りや車椅子ユーザーの場合、段差がない方がストレスなく過ごせるでしょう。ただし、上がり框に座って靴を脱ぎ履きする方が楽というお年寄りもいるため、事前に相談をしておくのが重要です。

玄関を広く見せたい人

上がり框を設置しないことで、土間とフローリング部分の境目がなくなり、玄関が広く見える傾向にあります。しかし、以下のような方法でも広く見せることは可能です。

  • 斜めタイプの上がり框を設置する
  • 明るめの色で玄関を統一する
  • 靴箱の高さを低くする

上がり框があっても奥行きは出せるため、建築会社と相談して使い勝手の良い方法を検討しましょう。

お掃除ロボットを活用したい人

お掃除ロボットを使用する場合、高さのある上がり框の下に行けず、土間部分の掃除を任せられません。また、場合によっては段差から落下してしまい、故障の原因にもつながってしまうでしょう。

しかし、昨今のお掃除ロボットは1〜2cm程度の段差は乗り越えられる傾向にあります。加えて、段差があれば、室内にゴミやほこりが侵入するのを防げるため、適度な高さの上がり框を設置するのもおすすめです。

上がり框をおしゃれに見せるには?

上がり框をおしゃれに見せるには、玄関周りの設備を工夫するのが重要です。玄関の印象をワンランク上げたい人は、以下の方法を取り入れてみてください。

  • 間接照明を設置する
  • 玄関マットを定期的に変える
  • 観葉植物を置く
  • 靴箱と上がり框の色味を揃える

間接照明を設置することで上品な雰囲気に仕上がります。昼と夜とで異なる雰囲気を演出できるのも魅力のひとつです。

玄関マットを定期的に変えれば、手軽に玄関のイメージを変えられます。とくに、賃貸住宅の場合、大掛かりなリノベーションはできないため、玄関マットを工夫するだけでも大きく印象を変えられるでしょう。

玄関ホールのアクセントとしては、観葉植物もおすすめです。葉の形や背の高さなどをこだわれば、個性的な玄関に仕上げられます。表面積の広い靴箱と玄関の色味を合わせることで、すっきりとした印象にすることが可能です。玄関全体とのバランスを取りながら、おしゃれな上がり框を工夫しましょう。

まとめ

上がり框には、来客が最初に目にする玄関の顔としての役割や外からのゴミやほこりを防ぐ役割があります。素材や種類にこだわることで、デザイン性の高い玄関に仕上げることもできるでしょう。おしゃれな玄関にしたい人や綺麗な玄関を維持したい人におすすめです。

一方で、段差があることで、車椅子ユーザーやお年寄りは使いにくくなってしまう場合があります。しかし、段差がある方が靴の着脱はしやすい傾向にあるため、適度な高さを建築会社に相談するとよいでしょう。

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