2023.12.19 「注文住宅」を知る

巾木(幅木)はいらない?なんのためにあるのか役割を解説

注文住宅を検討していたり、リフォームの計画を進めていたりするなかで、巾木という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。しかし、巾木はどういったものなのか、どういった役割があるのか詳しくはわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、巾木の役割や種類を解説します。さらに、巾木の選び方についても、併せて見ていきましょう。

巾木とは

巾木とは、壁と床の境目に付ける部材であり、ほとんどの住宅に取り付けられています。巾木の大きさは、製品によって異なるものの、5~7cmのものもあれば、昨今は2~3cm程度の小さな巾木も増えています。

巾木の役割

巾木には大きく分けて、壁と床の隙間をカバーする役割と汚れや傷から守る役割があります。通常、壁紙の下地は石膏ボードが使われており、天井に合わせて取り付けていくので、床側にミリ単位の隙間が空いてしまいます。
仮に巾木を取り付けない場合は、壁と床との隙間からほこりやゴミが入ってしまい、ボードの中にほこりなどが蓄積されてしまうのです。また、隙間から風が室内に入り込んでしまうこともあるでしょう。
巾木を取り付けることで、壁と床の隙間をカバーでき、ほこりが入り込むことに加え、隙間風を防ぐ効果があります。また、掃除機などが壁にあたると傷がついてしまうことがありますが、巾木があることで、直接壁に当たらないので、
傷を防止できる効果も期待できるでしょう。

巾木の納まり

巾木には出巾木と入巾木の2つの形式に分類されます。ここでは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

出巾木

出巾木とは、壁面よりも巾木が外側に出ているものを指します。一般的に使われるのは出巾木であり、一度は見たことがある方も多いでしょう。
出巾木は一般的な形式であり、工法も比較的シンプルであることから、施工費を安く抑えられるのがメリットです。

入巾木

一方、入巾木は壁面よりも内側に巾木が設置されます。一般的な出巾木に比べると、意匠性が高く、見た目がすっきりとした印象になります。
出巾木に比べると施工方法が難しく、施工費が高くなるケースがありますが、意匠性を重視して入巾木を選ばれる方も珍しくありません。

巾木の種類

巾木には、木巾木やソフト巾木、タイル巾木やアルミアングルといった種類があります。種類によって見た目が違うのはもちろん、掃除のしやすさやコストも異なります。
ここでは、巾木の種類を詳しく見ていきましょう。

木巾木

木巾木とは、文字通どおり、木製の巾木です。戸建て住宅などでは、一般的に使用されている巾木なので、見たことがある方も多いでしょう。木巾木は、ホームセンターやインターネット通販でも販売されており、手に入りやすい建材のひとつです。
ただ、販売ロットは4m単位で売られていることが多く、適宜カットして使用しなければなりません。
なお、木巾木は、室内の湿度によって変形する可能性があるので、状況によっては壁と床に隙間ができてしまうことがあります。そのため、木巾木の下部には、樹脂製のクッションが取り付けられているものも少なくありません。

ソフト巾木

ソフト巾木は、塩化ビニルで作られた巾木であり、こちらも昨今の住宅では採用されつつあります。木製の巾木と比べると変形、加工がしやすく、角への加工もできるのが特徴です。
また、巾木自体が薄く作られているので、ロール状で販売されています。ソフト巾木は、湿度の影響を受けにくいので、木巾木のように伸縮することがほとんどありません。
そのため、壁と床に隙間ができにくいことから、ソフト巾木を選ぶ方も多いでしょう。

タイル巾木

タイル巾木は、タイルの端部がアール状に曲げられた巾木です。一般的には、壁タイルと床タイルの隙間に使用することが多く、ホテルライクなデザインの住宅で使用される傾向があります。

アルミアングル

アルミアングルとは、アルミを押し出して作られた建材のひとつです。アルミシングルの巾木は、厚みや型寸法、長さなどの種類が豊富なので、さまざまなところで使用できます。
タイル巾木と同様に、デザイナーズ住宅やホテルライクな家に使われることが多いでしょう。

巾木の選び方

巾木にはさまざまな種類があり、希望や物件の条件などに合わせて選ぶことが大切です。とはいえ、どの巾木を選べばよいかわからない方も多いでしょう。

ここでは、巾木の選び方を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

床の色に合わせる

巾木には、さまざまな色の種類があり、どの色を選ぶかによって部屋全体の印象が変わります。そのため、巾木の色を選ぶときは、床の色に合わせるのがよいでしょう。
たとえば、ウォルナット系の床であれば、濃い目の色の巾木を選ぶのがおすすめです。床と巾木を同じトーンに合わせることで、統一感が出るので、おさまりがよくなります。
床の色よりも明るい巾木を選ぶと、床と巾木のコントラストがはっきりしてしまって、部屋が狭く見えてしまうことも珍しくありません。
しかし、床と巾木の色を合わせることで、床の面積が広くなったように感じ、部屋全体が大きく見えます。そのため、巾木の色を決めるときは、床の色に合わせるのがポイントです。

壁の色に合わせる

床の色に合わせて巾木の色を決める方法以外には、壁の色に合わせる方法があります。壁の色に合わせることで、壁面がすっきりとした印象となります。また、天井高が高くなったように感じるので、空間が広く感じられるといったメリットもあるでしょう。
また、昨今は壁の一面だけの色を変えるアクセントクロスが主流になりつつありますが、アクセントクロスを採用する場合も、その面だけの巾木の色を変えるのがよいでしょう。
たとえば、全体的に白系のクロスを採用し、壁の一面を黒系のアクセントクロスを貼り付ける場合は、巾木も壁の色に合わせて変えることがポイントです。
アクセントクロスに合わせない場合は、巾木の色が目立ってしまって、アクセントクロスが目立たなくなってしまうことがあります。

サイズで決める

巾木には、いろいろなサイズの種類があり、サイズによって見え方が変わります。一般的には、40mm、60mm、75mm、100mmの4サイズが主流であり、昨今は小さな巾木が注目を集めています。
巾木のサイズが大きいほど、巾木が目立ってしまうので、壁や床の色と合わせにくくなってしまいます。ただ、巾木をアクセントとして使いたい場合は、あえて大きなサイズの巾木を使うのもよいでしょう。
また、40mmなどの小さなサイズの巾木を使うことで、壁や床となじみやすく、巾木が目立ちにくくなります。目立たないサイズの巾木を選ぶことで、部屋全体がすっきりとした印象になるのが特徴です。
一方、100mmといった大きめ巾木を使うことで、壁のしっかりと保護できるメリットがあります。とくに、自動掃除ロボットを使っている場合は、壁に衝突することが多く、巾木が小さいと壁が傷ついてしまう恐れがあります。
大きめの巾木であれば、自動掃除ロボットが壁に衝突しても衝撃を抑えてくれるので、壁をしっかりと保護できるでしょう。

ほこりが溜まりにくいものにする

巾木の役割は、壁を保護したり、壁と床の隙間をカバーしたりする役割があります。しかし、その巾木や壁面よりも数ミリ外に出てしまうので、巾木の上部にほこりが溜まってしまうことがあります。
巾木は、壁面全体に取り付けられているので、すべての巾木を掃除するとなると、時間と労力がかかってしまいます。そのため、巾木を選ぶときは、できるだけほこりが溜まりにくいものを選ぶのがおすすめです。
たとえば、薄型巾木であれば、巾木上部の面積が小さいので、ほこりが溜まりにくくなります。そのほか、上部が曲面になっている巾木もあり、そういった巾木であればほこりが溜まりにくいでしょう。
そのほか、柔軟剤を巾木の上部に塗布するのもおすすめです。柔軟剤に含まれる界面活性剤の成分によって、静電気の発生を抑制でき、ほこりが溜まるのを防げます。
巾木はほこりが溜まりやすい建材のひとつなので、ほこりが溜まりにくいものを選んだり、ほこりが溜まらないような工夫を施したりすることが大切です。

まとめ

注文住宅やリフォームの検討を進める際、どのような巾木を選べばよいのか悩む方もいるでしょう。巾木にはさまざまな種類の材質や、色、大きさなどがあり、それぞれ特徴が異なります。
床と同色の巾木を選ぶことで、床面積が大きく見えることから、部屋全体が広くなったように感じるでしょう。また、壁の色と合わせることで、天井高が高くなったように感じ、開放感のある空間を演出できます。
注文住宅やリノベーションを得意としているカジャデザインでは、巾木の選び方を含め、入念なヒアリングをもとに、ベストなご提案をさせていただきます。