2023.12.15 「注文住宅」を知る

ジョリパットとは?外装のみならず内装にも使える壁材の魅力

ジョリパットは、住居の外装や内装にこだわりたい方におすすめの壁材です。壁面のデザイン性を高められるので、より理想に近い空間を演出できます。

この記事は「ジョリパットについて知りたい」「ジョリパットでの施工を検討している」という方に向けて、基本的な特徴からメリットとデメリット、施工前に知っておくべきポイントを解説しています。

ぜひ参考にして、理想的な空間づくりを行ってください。

ジョリパットとは

ジョリパットとは、アイカ工業が製造販売している塗り壁材です。1975年にフランスのセ・ジェコール社から技術を導入し、日本に合わせた改良が加えられています。

ペンキなどとは違い、立体感と模様をつけられるので、質感や雰囲気をコントロールできます。外壁だけではなく、内装に使用されることも多く、デザイン性の高い住居や施設を中心に人気です。

外壁の仕上げに使われる際は、セメントと水、砂を混ぜて作るモルタルを使用することが一般的です。ジョリパットという名前は、フランス語で「美しい」の意味をもつ「jolie(ジョリー)」と、英語の「塗材」をあらわす「putty(パテ)」からきています。

ジョリパットの特徴

ここからは、ジョリパットの主な特徴3つを解説していきます。

パターンが豊富

1つ目の特徴はパターンが豊富であることです。

まず、スタンダードなジョリパットは「ボーダー系」「クリフ系」「スクラッチ系」「ラフ系」「スプレー系」「ソフト系」「ローラー系」「マテリアル系」の8つに分けられます。

それぞれ砂や岩肌のような質感、縞模様、木やレンガのような雰囲気など大きな違いがあります。加えて内装仕上げ専用に製造しているのが「ジョリパットシルキーパレット」「ジョリパット爽土」「ジョリパットゼロ」などの種類です。

汚れやひび割れ防止性能の高い「ジョリパットネオ」や低コストで施工できる「ジョリコート」といったデザイン以外の違いでも選べます。系統ごとに、いくつものデザインがあるので、合わせると約100種類以上のパターンが存在します。

納得の性能と質感を見つけられることは、ジョリパットの大きな特徴です。

カラーが豊富

2つ目の特徴は、カラーバリエーションが豊富であることです。ジョリパットは、140種類以上のカラーから選べます。

赤や青のビビットカラー、内外装に使いやすいグレー系のニュートラルカラー、エレガントな印象をあたえる霞がかったミスティカラー、温かみがありカジュアルなサニーカラー、落ち着いた和の伝統色のトラッドカラーと空間のイメージに合わせたカラーの選択が可能です。

豊富なカラーバリエーションがあると、周りの色味に合わせて統一感を出したり、アクセントを加えたりとコーディネートの幅が広がります。また、サンプルに掲載されていないカラーの特注も可能で、さらにオリジナリティを高められます。

質感や性能に加えて、細かな色の違いにもこだわれるのがジョリパットの魅力です。

環境や健康に配慮された壁材

環境や人の健康への影響が少ないことも、ジョリパットの特徴です。ジョリパットは、ホルムアルデヒドの放散量がもっとも少ない等級「F☆☆☆☆」を取得しています。

ホルムアルデヒドは粘膜を刺激し、喉や目の痛みといったシックハウス症候群の原因にもなるとされる科学物質です。壁や天井などの多くの建材に使用されています。

人体へ有害な影響から、2003年に建築基準法が改正され、規制をするとともに、ホルムアルデヒドの放散の度合いをあらわす等級表示がされるようになりました。

ホルムアルデヒドの「F」に、星の数は多いほど放散量が少ないことを意味し、もっとも少ないものが「F☆☆☆☆」です。

「ジョリパットシルキーパレット」は、ホルムアルデヒドの吸着と分解をする性能をもっているなど、さらに健康に配慮した製品もあります。デザインだけでなく、環境と健康面でも安心できる特徴を持っているのがジョリパットです。

ジョリパットのメリット・デメリット

ここからは、ジョリパットのメリットとデメリットを解説します。

メリット

ジョリパットにはデザイン性の高さだけでなく、たくさんのメリットがあります。主なメリットの1つ目は、耐用年数が長いことです。

ジョリパットの耐用年数は、15〜20年とされています。耐用年数は色褪せや汚れのつきにくさ、ひび割れのしにくさのわかる指標です。アクリルやウレタンは5年前後、外壁塗装でスタンダードといえるシリコン塗料の耐用年数でも10年前後なので、ジョリパットの長さが分かります。

ひび割れのしにくいジョリパットは、ほかの塗料に比べて高い柔軟性があります。柔軟性が高いと、下地にひび割れが起こった場合でも、覆いかぶさって水の侵入を防ぐことが可能です。

また、防藻・防カビ性能によって藻やカビが発生しにくいことも、ジョリパットの耐用年数が長い理由の1つです。見た目だけでなく、機能の劣化も防ぎます。

2つ目は、低刺激で安心できることです。

ジョリパットは、ホルムアルデヒドの放散量が少ないだけでなく、シンナーなどの刺激物も使われていません。匂いが気になりやすい方や小さな子ども、ペットのいる家庭でも安心して使用できます。

3つ目はメンテナンスに手間がかからないことです。

壁の汚れを落とすのは、素材によっては大きな手間がかかります。ジョリパットは水をかけてブラシでこするだけで、汚れを簡単に落とせます。

さらに、ジョリパットを使い続ける場合には、改修用の「ジョリパットフレッシュ」を使うと、防水性の回復とカラーチェンジが可能です。「ジョリパットクリーンウォッシュ」「ジョリパットクリーンマジック」といった、より汚れがつきにくい種類もあります。

デメリット

ジョリパットには、いくつかデメリットも存在します。

1つ目は、汚れがつきやすいことです。

ジョリパットは、凸凹によって、デザイン性を高めている種類が多いことが特徴です。そのため、溝となる部分に汚れが溜まりやすくなってしまいます。黒ずみの原因にもなるため、定期的な洗浄を行う必要があります。

また、注意が必要なのは高圧洗浄による塗装の剥がれです。平面の塗装に比べると、圧力で剥がれやすくなる可能性も考えられます。控えるか段階を踏んで様子を見ながら行いましょう。

2つ目のデメリットは、塗り替える際の塗装の種類が限られることです。

ジョリパットで施工した壁には、弾性塗料など伸縮性のある塗料が使えなくなります。基本的には、同じジョリパットシリーズで塗り替えることになりますが、あらかじめ確認が必要です。

3つ目のデメリットは、施工に技術が必要であることです。

ジョリパットは、ほかの壁材と比べると、より施工の際の手作業が完成度を左右します。実績のない業者に依頼すると、イメージと異なるケースもあるため、豊富な施工実績のある業者を選ばなければいけません。

ジョリパットを塗る際のポイント

ジョリパットで施工を行う際に、気をつけるべき2つのポイントを解説します。

サンプルで実物を確認する

ジョリパットには、たくさんのバリエーションがあります。細かな理想を叶えられるので、施工を行ってから、イメージと違うといったことがないようにしましょう。

検討しているデザインと、カラーのサンプルを取り寄せることが大事です。ショールームであれば、広い範囲で確認できるため、さらにイメージしやすくなります。

また、日光の加減でも色合いや質感の印象は変わって見えるため、太陽光が当たる場所で確かめられるとより安心です。検討しているデザインやカラーは、サンプルやショールームで実物を確認してください。

施工実績のある業者に依頼する

ジョリパットは、どんな業者でもきれいに仕上がる壁材ではありません。手作業が多く、完成度に影響しやすいので、経験を積んだ業者に任せることが大切です。

ジョリパットは、一般的な塗料に比べると専門性が必要であり、施工実績のある業者と、そうでない業者では大きな違いがあります。信頼と実績のある施工業者に依頼することが、ジョリパットで施工するうえで重要なポイントです。

理想どおりの仕上がりのために、業者選びは慎重に行ってください。

カジャデザインは家づくりに関するあらゆる相談にのるだけでなく、高い技術と加工の難しい素材の知識を持つ職人達によって、お客様のイメージを具現化しています。

まとめ

ジョリパットは、住居のデザイン性を高める魅力的な壁材です。

メリットも多く優秀ですが、仕上がりには施工を行う業者の技術が大きく影響します。理想の家づくりには素材の特徴だけでなく、環境やそれぞれの相性、実際に作業する職人の技術力などたくさんのポイントがあります。

確かな実績と経験があり、イメージの共有や相談ができる業者を選ぶことがもっとも重要です。この記事を参考に、理想の空間づくりをはじめてみてください。