2019.2.13 スタッフ

営業とは一味違う! プロデューサーってどんな仕事?【職種から紐解くKAJA DESIGN】

ライター 田中 嘉人

カジャデザインには、「営業」がいません。

正確には、他の住宅メーカーの営業職に近い役割の社員はいるのですが、彼らを「営業」とは呼んでいないのです。

その名は「プロデューサー」。一見すると「??」ですが、一体どういう意図があるのでしょうか。なぜ、プロデューサーと名乗るのか。プロデューサーの仕事内容とは。そして、プロデューサーという仕事にかける想いとは?

プロデューサーとして第一線で活躍している私市浩一と小牧正英に話を聞いてみましょう。

プロデューサーとは、お客さまとスタッフの目線を揃える旗振り役

ーまず、プロデューサーという肩書きについて教えてください。

私市:
お客様のパートナーというフラットな関係で、要望をカタチにしていく存在ですね。
あえてプロデューサーと呼ぶのは、営業という言葉だけでは括られない幅広い業務を担っているからです。
たとえば、外部パートナーとのコミュニケーション。カジャデザインは建築業界のベンチャー企業的な立ち位置なので、組織の規模は小さい。そのため、お客様にとってよりベストなチーム編成をするために、設計も外部のパートナーとコラボレーションすることもあります。
社内外のスタッフが一致団結し、同じ方向へ進んでいくための旗振り役という意味で「プロデュース」が期待されている。だからこその肩書きなんだと思います。

ー具体的な仕事内容は?

私市:
1つは、一般的な住宅メーカーの営業の業務内容。「家を建てたい」というお客さまの要望を聞いて、カジャデザインとしての案を考えて、プレゼンして……契約していただけたら、工事中も寄り添って完成までお付き合いするストーリーです。まさにお客様のパートナー的な存在ですね。
もう1つは、通訳としての役割があると思っています。住宅全般や、建材、インテリアに関する専門知識も多く必要ですし、設計士や現場監督はコミュニケーションが苦手な場合も多い。「何を言っているのかよくわからないまま、気がついたら使い勝手の悪い家が出来上がってた」なんて最悪じゃないですか。コミュニケーションミスによるトラブルを防ぐのも、プロデューサーの大切な仕事だと思います。

プロデューサーたちは元・営業。なぜKAJA DESIGNを選んだか

ーお話を聞いていると難易度は高いような気がしていて。どういう方がプロデューサーとして活躍しているのか、お二人のバックグラウンドから教えてください。

私市:
私は、新卒で大手ハウスメーカーに就職しました。個人的にターニングポイントとなったのはフルオーダーの部署に異動したこと。
それまではマニュアルに沿って営業が図面を描いてお客様に提案していたんですが、その部署は営業と設計が一体のチーム。オフィスの一角に設計事務所があるようなイメージです。7名ほどのチームで提案や設計はもちろん、ウェブサイトの運営や撮影まで手がけ、企業内ベンチャーのようなことをしていたのです。
ところが、社内の事情で部署は解体。メンバーはみんな散り散りになり、僕も異動先が決まっていたのですが、今さら一般の住宅には戻れなくて退職をしました。その後、当時よく競合していた会社に転職しました。ラグジュラリーな物件を多く手がけている会社で、『ものすごい家』に沢山関われたことは大きな経験になりました。ですが、そこは歴史ある会社で、ある程度業務のシステム化が構築されていました。そこでの経験を経て、私のやりたいことはやはりベンチャー的な企業でやれると思いカジャデザインへ入社しました。

プロデューサーの私市

小牧:
設計事務所で建築家のアシスタントとして働いていたんですが、建築家の先生が主体であって、お客様は二番手という関係性なので、お客様もスタッフである私自身も、先生からOKを出してもらうためにプランニングをしていました。その経験を経て、理想の家づくりについて向き合うことになりました。その結果、次のステップとしてもっと一般的なスタンスでの家づくりを学ぼうと思い、ハウスメーカーに転職しました。
そのハウスメーカーで勤めている時に、自身の家を建てるタイミングが訪れました。設計の経験を活かし、自分で間取りを描いて希望を出したところ、様々な制限があり希望の家が建てられたないということがわかったのです。

ーというと?

小牧:
品質自体は高性能なんですが、性能を追い求めるあまり、家づくりとしての柔軟性に欠けていた。間取りはもちろん、外観・設備の仕上げなどに限界があったのです。もちろん悪いことじゃないのはわかっているんですが、そうすると、自分の理想の家はつくれないんですよ。必ず妥協が生まれる。自分の存在意義は……みたいなことを考えていたら、だんだんモチベーションも下がってきてしまって……そんなある日紹介してもらったのがカジャデザインです。
リゾート空間というコンセプトもおもしろいし、設計から施工まで一貫して手がけていて、石材を仕入れていて、デザインと性能の両立が可能……ここなら自分の家もこだわれると感じました。だから、自分の家を建てるために転職したって感じですね(笑)。

プロデューサーの小牧

営業経験者=活躍とは限らない。プロデューサーの難しさ

ーお二人とも営業を経験しているとはいえ、カジャデザインのプロデューサーとして働くのは初めてで。戸惑ったり、苦労したりってことはなかったんですか?

小牧:
最初の半年から1年ぐらいは苦労しましたね。会社ならではのやり方がありますし。ただ、家を建てることは決まっていたので、くじけるという選択肢はなかったですね。腹をくくってました(笑)。
幸いなことに設計事務所での経験はプラスになりましたね。先ほど私市が紹介した「通訳」の役割という点で、建築家の方々との橋渡し役を担えるし、ときにはサポートだってできる。今プロデューサーとして働けているのも、設計事務所の経験があってこそです。

私市:
不思議なことに「営業一筋」ってタイプの人はハードルが高いみたいですね。
私の場合は、フルオーダーの会社・部署で働いた経験があったことが奏功しましたが、他のハウスメーカーにいた時に全社で表彰されていたような人でも業務の幅広さや求められる知識の深さにギャップを感じて退職してしまうこともある。

ー逆にプロデューサーの仕事のおもしろさについて教えてください。

小牧:
やはり、カジャデザインの顔としてお客様の反応を直接見聞きできることですね。プレッシャーのあるポジションですが、お客様が喜んでいる様子を目の当たりにできるのは醍醐味だと思います。

私市:
少し視点を変えた意見だと、別の職種や外部パートナーのみなさんと比較してたくさんの物件に関われる点ですね。カジャデザインのなかでもプロデューサーは関わる物件の数が多いんですよ。すると、ある意味設計が知らないことも知ることができる。経験値も多く積んでいけるわけです。必然的に自分の提案の幅も広がる。これはおもしろいポイントですね。

プロデューサーたちの未来へのまなざし

ー活躍できる人材の共通項って何なんでしょう?

小牧:
ひと言では言い表せられないのですが、あえて挙げるとしたらオールマイティなことですよね。営業としてのベースがあったうえで、デザインの知識や法律の知識、各パートナーとのコミュニケーション能力も求められるので。

私市:
自分のなかで明確な答えはないのですが、もしかしたら「任せること」は大事なのかもしれません。
というのも、前職でフルオーダーの会社・部署に異動して1年目の頃って本当に鳴かず飛ばずだったんですよ。上司や周囲から言われたのが「喋りすぎ」。それぞれのプロフェッショナルがいる環境なのに、いろいろ口を出してしまっていたんですよね。
だから喋りたいのを我慢して意識的に任せるようにしたら、あっという間に地区で1位の成績になって。そうなると自信もつくんですよね。
私がカジャデザインに入社したときはまだまだ黎明期でしたが、周囲の力を借りつつ、その時々でベストな提案をしてきました。その結果が今に続いているんだと思います。まぁ、地道なことですよ(笑)。

ーありがとうございます。では最後に、今後の目標について教えてください。

小牧:
すごくシンプルなんですが、「お客さまに喜んでもらいたい」に尽きますね。
僕自身が家づくりにずっと関わってきて、自分の家を建てたくらい魅力を感じているわけですから、お客様にも同じように、それ以上に満足を感じてもらいたい。「満足度を高めていくために何ができるのか」をとことん追求していきたいと思います。

プロデューサー小牧が担当した住宅の施工実例の一部はこちらから。
『 非日本的な家 』
『 本と過ごす家 』

私市:
お客様に感動を提供したいですね。使い古された表現かもしれませんが、実際はすごく難しいと思っていて。カジャデザインで家を建てようとしているお客様の期待値は非常に高いわけです。だから、想像通りのアウトプットでは感動なんてしない。お客様の想像を超えるような家をつくり続けていくことこそが、カジャデザインのプロデューサーの使命だと思います。

プロデューサー私市が担当した住宅の施工実例はこちらから。
『 0LDKの家 』
『 降り注ぐ家 』
『 誇れる家 』